1-3 バグだらけの人生(2)
「宇宙を神が造ったとしても、どうせただのシュミレーションだから、想定しきれない状況が発生した場合、怪奇現象として人間には認識されてしまう。
幽霊の存在だって、死ぬと即座に輪廻転生などで対処するような仕組みになっていないからでしょう?
死の判断は肉体によらず、意識がそう認識したかどうかで決まる。だから死んだ自覚がなかったり、やり残したことがあって、この世に執着していると生死フラグの値が変化せず、プログラム上は死者とならず、肉体を持たずにこの仮想現実空間を彷徨うことになる。
肉体に費やされる計算負荷が無くなり、意識はより現実空間に対する影響力を持ち、もやのような幽霊の姿が空間に描き出される」
「たしかに身体があると、細胞とか血液とかホルモンの働き、神経を行き交う電気信号などを合計すると、膨大な計算量になるな。それに対し肉体のない幽霊は、計算に余力がある。
光を操ってホログラムを描いたり、空気に振動を起こして音を出すなど、現実世界に作用することができる。実際の幽霊も、画像編集ソフトで加工したインチキ心霊写真と似たような原理で存在した……なるほどね」
京はそこまで言うと、自分でも何か思いついたようで、あっ、と叫んだ。
「足が透けて見える心霊写真も、そういうことじゃないかな」
「いい思いつきね。カメラが発明されたときに、イデアプログラム領域で『撮影』というプログラムルーチンが作成された。離れた場所で暮らす同種の生き物が偶然同じ行動をとったり、同じ発明や似たような芸術作品が同時期に発表されることがよくあるのは、イデア領域でそのソフトウェアが出来、その影響によるシンクロニシティ」
心理学者のユングは、ある精神病患者の妄想が古代のミトラ教の文献と偶然一致していることを知り、その患者がそれを知る機会がないことから、人類全体の深層意識に共通のイメージがあると考えた。彼はまた、魔術や降霊の伝承が世界中にあることから、実際にあったことだと考えた。
「撮影ルーチンの処理における画像データの作成は、まずレンズの屈折率を考慮にいれて計算された背景のデータを転送し、次に被写体のデータを重ね合わせる。画像データの作成は、上から行われるので、最後の足の部分の処理が間に合わなかった。場合によっては下から作成する場合があり、その場合被写体の人物の頭部が欠落することになる。
ある人物が撮る写真に限って、足なし写真や首なし写真が多い場合、撮影ルーチンの計算に撮影者も加わっているので、撮影者の計算能力が低いという証。怪奇現象に頻繁に遭遇する霊体質は、本物の霊の場合もあるけど、計算力が低い可能性がある。雨男とか雨女みたいに、ある人物がいると特定の天気になる場合が多いことがあるのも、その人物の無意識が環境の計算に参加しているから」
雨男や雨女は、本人の意思とは無関係に、その人物がいることで雨になる確率が高くなるという迷信だ。
「なるほど。これまでの現実世界の描画に加えて、カメラの発明により、撮影という負荷の高い処理が登場した。これはゲームでいうと複雑な形状のオブジェクトが増えたようなもの。恐怖の首なし写真の真実は、ゲームのフレーム落ちと同じ原理。撮影された画像の作成は背景データに被写体を重ね合わせる。それで背景が透けて見えるのかって……」
そこまで言うと、京は、
「勘弁してくれよ。これまでの常識が崩壊するじゃないか」と文句をいった。
「いやなら、事故で足が切断される前触れという霊能者の言葉を信じてなさい」
「どっちも信じない。心霊写真はスローシャッターのときに足を動かしたか、意図的なイタズラ。第一、君の説だと、科学が発達すると計算量がどんどん増えていくから、宇宙コンピュータは処理しきれなくなるじゃないか」
「文明の進化は人類全体の計算能力が高まったことによる。半導体のムーアの法則のように、時間の経過とともにダイサイズ当たりのキャパシティは向上し、人口増加で全体の数も増えているから、文明の利器を利用するだけのコンピューティング能力を確保している。
個人レベルでいうと、睡眠で計算量は減り、レム睡眠では夢という幻を描き出すことができる。個々の生命が描く仮想現実が夢で、神が描く仮想現実が宇宙。
眠っている間に夢を見るということは、魂には常に仮想現実を描いていこうとする傾向があるということ。深い眠りのノンレム睡眠はさらに計算の余力が高まるから、情報整理、つまりデフラグ(データの並び替え)といった負荷の大きい作業や身体の修復が可能となる。
臨死体験を機会に超能力を獲得する人がいるのも、肉体の計算負荷が減ったことで、イデアのデータを検索する能力が高まったから。
他にも瞑想や断食は計算量を減らす有効な手段。昔の修行者は偶然その効果に気づいたが、そこには根拠があった。雑念が減るうえに、目を閉じたり、呼吸をゆったりとさせたり、食べないことで、視覚、呼吸、消化に関する計算を減らすことができるから。それで修行者は、計算に余力を作り出し、イデアデータ領域から、有益な情報を取得していた」
「単にストレスを減らすだけじゃないのか」
「計算量が多いからストレスになるのよ。ストレスで老化が進んだり、癌になりやすいっていうけど、免疫細胞が正常細胞を破壊したり、細胞が酸化や糖化したり、生物は経年変化によって肉体に関する計算量がどんどん増えていく。あらかじめ割り当てた計算資源では修復においつかず、それが老化現象となる。
通常細胞と異なるガン細胞が増殖していく癌も、計算力不足が主な原因。癌の罹患率が、年齢の四乗に比例するって言われてるのも、年をとると、肉体の計算に余裕が無くなるってこと。
まず、遺伝子の処理が追いつかなくなって、遺伝子が傷ついて、それで通常細胞が作れなくなる。それからN/C比。ガン細胞は、通常の細胞に比べて、細胞核が大きくて、細胞質が小さくて。卵の黄身と白身みたいな関係だけど、白身にミトコンドリアとかゴルジ体といったいろんな種類の複雑な形状のものがあって……。もうわかるよね。細胞質の方が、計算量が多いから、核を大きくしてる。核の形もいびつで、核の中にあるクロマチンという物質も通常細胞は細かい顆粒状で均等分布なのに、ガン細胞の場合、大きな固まりで不均等。これも手抜き計算の結果。
それと、ガン細胞が通常の細胞みたいに、成長の方向性とか、周囲の細胞との協調なんてことお構いなしなのも、もうそんなことに計算力使う余裕がないから。通常の細胞は細胞全体の形もきちんとしてるけど、ガン細胞は形がいびつ。形を整えている余裕はありませんって。
ガン細胞はどんどん増え続けるから、むしろ計算量多いって言われるかもしれないけど、通常の細胞は、適切な死を迎えて、それを体外に排出させなければいけないから、細胞作ったら、同数減らすより作りっぱなしのほうが楽ってこと。ゴミ屋敷を片づけるのと、ゴミ屋敷でゴミが増え続けるのとどっちが楽かわかるよね。でも、片づけなくてほかっておけば、長期的に見れば大変なことになる。もう、この生物に割り当てられた計算能力では、肉体を維持できませんという結果に。
癌を製品にたとえると、工場の労働者が疲れ切って、投げやり手抜き作業で、普通なら不良品を廃棄するけど、検査しないから、作ったもの全部出荷。それを続けると、当然、工場は倒産」
「たしかに、ガンは不良品だな……」
「子供が元気がいいのも、身体が小さいから、肉体に関する計算量が相対的に少ないことで計算の余力があることが理由。成長するに従い計算量が増え、割り当てられた計算資源の上限まで成長すると、同じサイズの体でも、経年変化による計算量増加で、肉体の維持ができず、老化が進んでいく。老化は二十歳からじゃなく、思春期が終わった頃、つまり成長が止まった時点で始まるの」
「子供は、たしかに身体は小さいけど、脳みそも小さいから余力なんかないだろう」
「脳で計算するんじゃなくて、宇宙をシュミレートしている側の話。個々の生命は、計算能力に個人差はあるけれど、大人であるとか子どもであるとかは関係ない。脳は生命側の思考感覚パターンを仮想現実空間に反映させて肉体の一部とした疑似知能。ドグラマグラに曰く、脳髄はものを考えるところにあらず」
「本来の知能である生命で考えて、脳が考えたように、神経回路網を信号が行き交うのか?」
「生命側の計算は膨大。人間の意識はそのごく一部。そのくらいは脳が考えたように見せかけないと、この宇宙が見せかけだってばれちゃうでしょ。それと、加速や重力で空間が縮むのも、加速や重力で計算量が増えるはずだから、割り当てられたCPUユニットの計算範囲内の計算量の増大を想定して、あらかじめ計算範囲の空間を縮めることで、ユニット当たりの計算量を減らし、計算が追いつかないことに対処しようとした仕様なのかもしれないって考えてる。
エネルギーイコール計算量。Eイコールmcの二乗。光速は描画速度。質量はエネルギーに変換できる。質量が増えると、イデアの領域では計算量が増える。重い物質はそれだけで、計算が大変。
宇宙飛行士が宇宙空間に出ると神を感じるのも、周囲に空気や水蒸気などがないから、周辺環境に関する計算量が少なくてすみ、重力が弱いからさらに計算が減り、その余力が神との交流に向けられるから」
宇宙飛行士は、無重力状態のとき、神を身近に感じることがある。たとえば、エドガー・ミッチェルは、月面から宇宙船に戻るとき、何者かに注視されているような奇怪な感覚を覚えたという。
「宇宙は知的だった。科学で説明できない。神のような何かが動かしているとしか考えられいんだよ」とは彼の言葉だ。
「この創造物を見れば、神の存在を信じないことは不可能だ」とジョン・グレンは言った。
オルドリンは、月面を歩くとき、魂が体を離れるような、奇異な感じを覚え、その後もその感覚に苦しめられたという。これは魂が肉体を離れる幽体離脱というようなものではなく、地球上と異なる性質を持つ空間に出たため、計算パターンが急激に変化し、3D空間における感覚の座標ポイントが、肉体の位置とずれを生じたのではないかと、ハルミは考えた。
ゲーム開発者である京は、妻の考えを、
「個々の生命は、PCやタブレットと同じで、ハードウェア自体に性能差があり、それは時代とともに向上していく。モノが多い周辺環境や肉体の存在は重いアプリのようなもの。アプリがあまり動いていなければ、悟りという究極のアプリを動かせる」とたとえた。「宇宙空間で知能の高い幽霊が瞑想すれば、最強の組み合わせで、ライトなOSしか動いていないような計算量だな」
「計算量の問題だけど……」
ハルミは椅子から立ち上がり、食卓の皿などを片付け始めた。
「量子の二重スリットの実験って知ってるよね?」
「ああ、光と同じように、電子も波として観察されたり、粒子として観察されるやつだよね」
量子の二重スリットの実験とは、物理学で謎とされる現象である。わかりやすくいうと、二箇所を切り抜いた板の向こうにフィルムを用意し、そこに電子銃で電子を発射して、フィルムに残った痕跡から電子を調べるというものだ。電子をひとつ発射した場合、電子は片方の穴をすり抜け、フィルムには粒子の跡が残っている。
ところが、大量に発射すると、フィルムには波の跡が残り、しかも両方の穴を波が通った証拠の干渉縞ができている。さらに複雑なことにこの様子を観察すると、電子は波でなく、粒子として動いたという。まとめると、電子は少数の場合、粒子であり、数が多いと波となる。その波を観察しようとした場合、粒子になっているという奇妙な現象だ。
「あなたは多少の知識があるから、なんとも思わなくなってると思うけど、常識的に考えて、波として観察されたり、粒子として観察されもするっておかしくない?」
「おかしいけど、事実だから仕方がないよ」京も立ち上がり、コーヒーを用意しはじめた。「君も飲む?」
「お願いするわ。それで、あるときは波で、またあるときは粒子という多羅尾伴内の、してその正体は、計算量を少なくするテクニックじゃないかと思うんだけど」
「テクニック?」
「コンピュータで粒子を計算するのと、波を計算するのはどっちが大変?」
「どっちも面倒くさいけど、コンピューターの負荷からすると、粒子は回転するし、ひとつひとつ計算する必要があるけど、波はまとめられるから波のほうが楽だな、たぶん」
「電子というものの本来の定義は、やはり粒子に決められてると思う。だけど、数が多いと、ものすごい計算量になるから、そういう場合、波としてまとめることで、計算を減らしているんじゃないかな」
「粒子で計算するのが面倒だから波でごまかす。ゲームキャラで髪の毛を一本一本描画するのが大変だから、塗りつぶすのと同じだな」京はゲームでたとえた。「でもそれってインチキだろう? 宇宙がインチキしていいのか」
「じゃあ、あなたのゲームで風や波を起こすとき、いちいち空気や水を分子単位で計算してる?」
「するわけないだろ。ただのパソゲーで。そんなことして誰が得するっていうんだ」
「誰も得しないから、電子も簡略化する仕様になってるのよ」
「じゃあ、普段怠けていて、ひとが観察したときだけ、きちんと動くのか。上司の目を盗んで仕事の手を抜く会社員じゃあるまいし。宇宙、ずるすぎるぜ」
妻の仮説を少し本気にした彼は、宇宙に文句を言った。
「別にずるしてるわけじゃなくて、観察ということは観察者が参加することで、計算資源が追加されたということ。計算能力が高まり、粒子単位で計算可能になった。あらかじめ計算負荷と計算能力を見積もって、粒子で動かせるなら粒子、無理なら波。
複数の振り子を近くで揺らしたり、鐘を鳴らしたりすると、足並みが揃ってみんな同じ動きをする同期現象も、ひとつひとつ計算するよりみんなまとめて計算するほうが楽だからそうしてるのかもしれない」
「別々に計算するより、まとめて計算するだけですむか……。そこまでくると、比ゆ的な意味のプログラムじゃなくて、本当にプログラムが動いていることになるな」
「だから、最初からプログラムで動いてるっていってるじゃない」
「だから、プログラムで動いてるって信じられないんだよ」
と、彼は妻の口調を真似ていった。自分の肉体や住み慣れた街が、プログラムで動く映像といわれて、すんなり納得することは難しい。
「最近の研究だと、電子は原子核の周りを回っているんじゃなくて、普段は薄まって存在していて、人間が観察すると、パッと位置が決まるということだから、これってやっぱり、観察したときだけ、電子を計算しているということじゃないの?
もちろん、電子が存在するという前提で、電流や電圧があるんだけど、別に電子ひとつひとつの動きからアンペアやボルトを導き出す必要ないものね。
たとえて言うと、動画サイトの再生ソフトは、表示している間は映像も音声もきちんと処理しているけど、別のアプリかなんかで隠すと、音声だけ処理して、しかしながら、再生時間はきっきり進行していた。そんな様な感じかな。
これはたぶん、電子だけの特例ではなくて、宇宙全体がいろいろと簡略化のテクニックを応用してると思われます」
「まさか、観察したときだけ素粒子や原子が存在して、観察しないとパソゲーに毛のはえた程度の中身ということ?」
「さすがにパソコンゲームってことはないけど。生物の細胞くらいは全部あるはず。あってもらわなくちゃ困る。だけど、宇宙の端から端までひとつひとつの素粒子を全部きちんと計算してるとは思えない。
分子は原子が集まったもので、原子は電子と原子核で構成されている。原子核って陽子と中性子が強力に結びついていて、強い力とか核力っていうんだけど、陽子や中性子を取り出すにはものすごいエネルギーが必要で、だから放射能が除去できないんだけど。
すごいエネルギーはすごい計算力ポテンシャルということで、膨大な計算力がなければ、陽子や中性子単位で存在させることができない。原子核は定義上、陽子と中性子から成り立っているけど、どうせ電子顕微鏡でも見えないから、普段は内部構造を持たなくて、原子核が最小単位なんじゃないかな。
陽子や中性子が50個以上の原子もあるし。宇宙全体の原子核ってものすごい数だから、これが省けるとかなり助かるはずよ。水素がヘリウムになる核融合なんか、原子核の数が四分の一になるんだから、計算する対象の数が減ることになる。ヘリウム原子は水素原子四個より少しだけ軽い。その質量の差が核融合エネルギーなんだけど、これ、イデア的には、計算負荷が減った分の計算余力だと思う。
陽子や中性子はクォークという素粒子が結びついた複合粒子で、クォークもやっぱりよほどの高エネルギーじゃないと単独で観測されないから、定義上は存在してるけど、特別なときだけじゃないかな。
つまりまとめるとTPOに応じて、最小の粒子が原子核だったり、陽子や中性子だったり、クォークだったりしますっていうこと。
たとえていうと、肉と野菜が具の肉まんが何十種類かあって、その価格は肉の量に比例します。肉まんが原子核、肉が陽子で野菜は中性子。で、代金が電子ね。そういう決まりなんだけど、実は中身がない皮だけの肉まんだった。肉は脂質とタンパク質、野菜は食物繊維とビタミンという素粒子から構成されてることになってるけど、検査のとき以外は具なし肉まんだから存在しません。
結局、クーロン力が強すぎるってことね。小さな二つの電子の間に働く力が、重力の十の何十乗倍って、地球を動かせるじゃない。反発力と引力が完全に中和してるからバランスが保たれてるって定義にしておいて、計算は完全に省略。計算する必要が生じたときだけ、計算する。注文があった商品だけ仕入れて、在庫を持たない商店みたいでずいぶん合理的」
「ふ~ん。そういうことね。たしかにゲーム作るときだって、建物の中なんかはズームアップした箇所だけ細かい構造にするな。物質を細かく観察すると分子、原子、素粒子から成り立っているのがわかります。ただし、観察した部分だけで、他はまとめて計算しています」
彼はそこまで冷静に言ったが、ついに感情を爆発させた。
「720Pのゲームを1080Pって嘘ついて売るようなものだな。いや、もっとひどい。具のない肉まんって何なんだ。衣だけのエビフライと同じじゃないか。宇宙ともあろうものが、そこまでしてオーバーヘッド(余計な処理に伴う負荷)を減らしたいのか。電子や原子核が、欠陥商品みたいなせこいインチキしてたなんて。ああ、いやになった。宇宙の信用がた落ち」
720Pや1080Pはゲームの画面解像度のことである。当然、数字が大きいほうが、映像としてきれいで価値が高い。その分、開発が大変だ。素人目には見分けがつきにくく、1080Pと予告して発売されたゲームが、発売後、ユーザーからの指摘で720だったとしぶしぶ認めるメーカーもある。
「そんなに本気にしないで。あくまでひとつの仮説で、自分でも完全にそう思ってるわけじゃないから。だけどあなたが混乱するのもわかるわ。原子が最小じゃないってわかったとき、大勢の科学者たちが動揺したって話があるくらいだから
だけど非実在性は量子力学の世界に限ったことじゃなく、星とか月みたいな巨大なものも本当に存在してるかどうか、確かなことは言えないと思う」
「有人月面着陸しただろう? え? 着陸したときだけ月を計算した?」
「望遠鏡で観察したり着陸したときだけ細かく描画して、普段は月見団子以下の二次元的存在。地球だってわからないわよ。火山が噴火したときだけマグマが存在して、普段は空洞という表現はおかしいけど、中身は省略。
地面の土だって掘ったときだけで、普段は表面しか計算してないかも」
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