エアロックへの侵入

僕はいろいろ話しながら船体内部に入る最後のエアロックにいる。

「琴音さん、エアロックの扉を開けるよ」

「嫌だといってくるんですね。艦長の事がありますからね」

「僕はいろいろ勘違いされるけど、頑固で強情なんだ」

そう言いながら僕はドアについたロックを外すためにパスコードを打ち込んでいる。

「女の子に嫌われますよ」

「それは困るかも?」

「どうして人ごとなんですか?」

「目の前に助けるべき人がいるから」

「艦長をですか?」

「琴音さんもだよ」

気密扉のロックが外れる。

僕は気密扉をゆっくりと開ける。

「船体を失った人型インターフェイスに価値はありません」

「そんな事無いよ。琴音さんと話していると楽しいしね。それは船体が無くても琴音さんとして価値があると言うことだよ」

素早くドアの横にあるチェーンで気密扉を固定した。

そしたエアロックの内側の気密扉を確認する。

船体内の重力制御や気圧を表すディスプレイは死んでいた。

ヘルメットのバイザーに映し出された気密扉のパスコードを確認する。

おちつけ。

もうすぐだ。

焦る自分を抑えるようにパスワードを打ち込んだ。


                                 続く

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