気密扉の向こう側
パスワードを入力して、気密扉を開く準備を終えた。開く前に気密扉の先に廊下の気圧と重力状態を確認しようとドアの横にある端末に触れてみた。
だけど画面は真っ黒なままで反応しない。
対海賊警報で船がセーフモードになっている。
対海賊警報は、海賊船とか敵対勢力によって船のドアが開けられそうな時に発せられるものでパスワードを入力していかないとドアが開かない。またハッキングを防ぐためにドアにある気密扉の先にある廊下の重力制御とか酸素状態とかの環境確認用のディスプレイと装置は機能停止している。
接舷された乗り込まれた時の防御手段だ。
重力制御とか気圧とか分からないまま、気密扉を開けるのは怖い。
それは船外作業要員が全員がたたき込まれる状況が分からないまま状況を進めるなと言う教えからだった。
だけど僕は決めたんだ。
僕はゆっくりとドアを押して行く。
気圧差で吹き飛ばされる事も突然の重力制御で足に負担が来る事も無かった。
僕はドアチェーンで気密扉を固定すると頼りの無いオレンジ色の非常灯が照れしだす長い廊下を歩き始める。ここからが本番だ。
続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます