武装商船へ

僕は工藤亜里沙が認めてくれたので船の中を見学する事にした。もしかしたらあの席に座れるかもしれないし。大体船の構造は分かる。船外作業員二級の資格を取ったるための試験に出ているからだ。僕は開けっ放しになっていたドアをくぐるとブリッジに向かって歩いて行った。造りは民間商船とあまり変わりがない。船内に作られた通路を通り、ブリッジに到達する。

ブリッジのエアロックは解放されている。僕は遠慮なく入る事にした。

ブリッジには誰もいなかった。

見た限り、右から戦術オペレーター席、操縦手席、火器管制手席、通信、船内オペレーター席となっていた。その後方に一段高くなって艦長席があった。

キャプテン。

男の子なら一度は憧れる席だった。

一度で良いから座ってみたい。

僕はその思いから艦長席へ上がる階段を上り、席に目をやる。

そこには人がいた。

呼吸している訳でも無く、硬直した様な感じがする。

髪の毛はセミロング。

体つきは小さい。でもこの学校の制服を着ており、一年生を表す緑のリボンが胸元にある。

体つきに合わせて胸も小さい。

いや観察してどうする!

もしかして死体遺棄?

そんな言葉が頭によぎる。

揺り起こしてみるべきか?

いや待て。

証拠が無くなるのではないか?

とりあえず本当に呼吸していなか顔を近づけて確かめてみよう。

そうして呼吸音を確かめるために顔と近づける。

フィーン。

かすかにパソコンのハードディスクを立ち上げる様な音がする。

やばい!

何かこの船を起動させる何かを行ったのか?

船には誤作動防止の処置があるけど、船に関する勉強をしていない僕には対処できない。

そんな動揺が僕の決断を促した。この少女は寝ているのもしれない。起こしてみよう。

そうやって僕は少女の肩を掴んだ。

「起きてください」

声をかけ両肩を揺さぶってみる。

女の子の起こし方なんて教科書に書いている訳も無い。

何回かゆすぶる。

少女が目を開けた。

僕と視線が合う。

「助けて。犯される」

「そんな事はしないよ」

僕はとっさにその言葉が出た。

「変態さんはみんなそう言う風に言うのです。緊急防衛機構作動」

ごん。

少女のヘッドバットが僕を襲うのだった。

すごい硬い。

そんな事を思いながら気を僕は気を失ったのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る