誘惑
「相沢君。ねえってば相沢君」
僕は入学式を終え、少しできた休み時間の間に古典の
「どうしたのか?工藤さん」
「あなたって、船外作業員2級と空間ボルト締め工法三種とケーブル接続工法三種を持っているって本当?」
何か期待をする目で見てくる。
「本当だよ」
「はったりじゃないわよね」
「じゃあ
僕は工藤さんが痛い女の子だと言う事を忘れて舞い上がっていた。一日で女の子と連絡先を交換できるはずが無いからだ。
彼女も
「データの送受信を行うよ」
「良いわよ」
三十秒ぐらいで通信が終わる。
彼女は自分の
「あなたは最高よ。良い人材が手に入ったわ」
悦に入って満面の笑みを浮かべていた。
「放課後、第一番ドックに来なさい。良い事を教えてあげるわ」
良い事ってなんだ。僕は期待と言う名の下心がわいてくる。
そう言うと工藤沙里差は自分の席に戻るのだった。
何が待っているのだろう。チャイムが鳴る。次に授業は実用英会話の授業だった。
ノートへの書き写しも返答も全て英語で行われる。宇宙空間ではどんな国籍の人と話すか分からない。その時に意思を確認するために必須技能だった。気を引き締めないとと頭で思うのだけど、授業に向けての気合が入らない僕だった。
続く
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