前を歩く僕、後ろに続く少女

「もう良いでしょ?僕は行くから」

そう言い残すと教室に歩いて行った。専門課程は午後から選択したコースになって教室は違うけど、午前の授業は教養課程と必須課程、英語とか古典とかに分かれる。僕は古典の授業に21世紀の初頭のサブカルチャーを選んだからその授業を受けれる事を楽しみにしている。だからこの少女に付き合う必要もない。

でも初めての教室か?

初めての同級生。

クラスのアイドルや馬鹿をいい合える男の親友ができたりするのかな?

良くある古典アドベンチャーゲームの設定だから実際に無いと思うけど。

そんな事を考えて顔がにやけるのを我慢しながら教室に向かって歩いていた。

かつかつ

てくてく

僕が歩いていく方向に少女がついてくる。

いやがらせだろうか?

助けたのに何のうらみがある。

僕は後ろを振り返り尋ねる。

「どうしてついてくるんだ?」

「じゃぁ聞くけどどうしてあなたは私の前を歩いているの?急ぐのよ。道を譲ってくれないかしら?」

「分かったよ。先に歩くよ」

かつかつ

てくてく

教室のあるブロックまで続く。

一年A組と書かれたプレートが目に入る。

どうして入ろう?

そんな事を考えていると声をかけられた。

「早く入りなさいよ。邪魔よ」

「えっ?」

「私みたいな美少女と同じ教室で良かったわね?クラスメートよ」

嘘だろ?

せめて教室の机は良い場所に取りたい。教室後方の窓際の席を

                                  続く

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