幕間

「…質問ですらねぇな。いいだろう。その耳の穴おっぴろげてよく聞きやがれ。」

「答えはノーだ。てめぇの下に着く気はサラサラねぇ。」

「そうか、残念だ。ではこの話は無しだ。」

「しつけぇ野郎だな!!断るっつって…あ?」

「どうしたソマリア。お前の返事を私は受けた。この話は終わりだ。」

「えらく簡単に引き下がるじゃねぇか。ま、わかったんならいいがよ。二度と俺をつけ回すんじゃねぇ。」


踵を返し去ろうとしたソマリアをグッドマンが呼び止める。


「待て、ソマリア。」

「嫌だね、俺ァ帰って連ドラ見るんだよ。」

「あ、それ拙者も賛成で。」

「黙ってろ。」

「おいおい、お前、私に借りを返さないつもりか?」


【借り】という言葉にソマリアがピクリと反応する。


「たしかにお前は私の私設部隊に入ると返事をしたことは覚えていなかった。」


「」ピクピク


「が、テルミドールで記憶が曖昧になるほどに飲んだ酒代はどうするんだ?」


「ッ!!それはお前が飲ませてきて…ッ!」

「残念だが私は一度も、『奢る』とは言っていない。『まぁ飲め』そう言っただけだ。しめて23580$。安酒も積もれば中々の金額だな。」

「…………!ぐ、この……!」

「そこでだ。お前の手持ちはほぼ0に近い。なんたって依頼って依頼は最近お前のところには振られていないはずだからな。」


ソマリアは思い返す。たしかに最近はチンケな依頼ばかりだった。宵越しの金にもならないショボい事件ばかりだ。

クロードに聞いても、返事は『悪いなチューマ。最近得意先が出来てな。ほとんどそっちにとられちまってるんだ。』ときた。


「そしてお前は律儀に金を貯める性格でもない。心優しい私が、お前に借りを返すチャンスをやる。」

「……なんだ…。」

「私の私設部隊と共にある任務を行ってもらう。報酬としてその『借り』をチャラにしてやろう。成功した暁にはさらに上乗せで払ってやる。」

「結局またお前の手の平の上かよ。」

「勘違いするな。このスプロールが私の手の平だ。」

ソマリア「仕方ねぇ。乗ってやるよその話。」

「……グッドだ。準備は既にしてある。三時間後に私のビルで会おう。そこで詳しい話をさせてもらう。」

「はいはい、わかったよ。じゃあな。」

「クローディアにも宜しく伝えてくれ。研究の成果を楽しみにしていると。」

「あぁ、伝えておいてやるよ。」


そしてマスタングに乗るソマリア。


ジョロロロ


「………」

「マーキングマーキング。ひさひざの俺の縄張り♪」

ソマリア「てめぇコラクソ犬!いい加減撃ち殺すぞ!!」

「やってみろってんだ。お前が銃を構えた瞬間、俺のメルカバが遠距離砲撃を叩き込んでやる。」

「あぁぁああ!!!何から何まで最っ高の日だナァ!ちきしょう!!」


ブルルンブルン………ドッドッドッド………


走り去るバイク、グッドマンもいつの間にか闇に消えている。


巻き起こる炎、メガコーポの闇。

スプロールのヒーロー達はそれぞれの誇りと意思を胸に、今日も生きる。

トワイライトガンスモーク

硝煙の果てに、明日を貫け。


レイン「結局出番無いし。」


サヲリ「あたしのランボー…」


硝煙の果てに、明日を貫け。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る