ソマリア・ガントレット

所変わってバイク男。


「今日は最ッ高!に最低な日だァ...撃たれるわ斬られるわ追いかけられるわ。俺がなにしたってんだ...。」


愛機マスタングのエンジンを蒸かす。


「色々心当たりはあるが...全員見たことねぇ顔だしなァ。」

「までも、ここまでくりゃあしばらく大丈夫だろ。あーつっかれたぁぁああ!!」


マスタングを降り、裏路地へと入る。


「と、ここまで私の案内に従ってもらったわけだが。」


突如路地の暗闇の中から声がする。


男はすぐさま反応し、ホルスターから銃を抜く。


「こんなところまで案内ごくろうさん。...礼に一杯奢ってやるよ!」


暗闇に向けて銃弾を放つ。

確かな手応えを感じる。


「...」

「おいおいソマリア。この服は高かったんだ。一つ貸しだぞ。」


暗闇から姿を表す男が一人。


「バッドマン...!」

「私をそう呼んで生きているのはお前くらいだよ、ソマリア。」


服には銃弾の後。確かに心臓部を撃ち抜いている。


ソマリア「ハッ!そうだなぁ!『生きてる』って事に感謝しねーとなァ。グッドマンよぉ。」


緊迫した空気が、辺りを包む。


「それで、例の件、考えてもらえたか?」

「...おい、まさかとは思うがお前、こないだの話か?それは。」

「一昨日、テルミドールで話したことが、『こないだの話』なら、そうだな。」


一昨日 テルミドール店内


「うぁっはっはいっひ!はっはっはぁ!酒だァ!飲めぇ!」

「あぁ、頂こう。」

「ゾンビでも酒に酔うのか?グッドマァン」

「こんな安酒なら、死体も踊り出すかもな。」

「ばぁか!ここで一番たけぇのがコレなんだよ。んで?なんだよ話ってのは。」

「ふむ、まぁ飲め。ソマリア。」

「おぉ!気が利くじゃねえか。」


満杯に注がれた合成酒を一気に飲み干すソマリア。


「っかぁ~~~うめぇ!!で?話ってお前」

「ジョッキが空だな。まずは飲め。」

「おぉ!悪いな!!」


グビッ スゴイナ,マダノメルノカ


ッタリメーヨ


ホラモウイッパイ

オ.イイネェ

グビッグビッグビッ


現在 裏路地


「って覚えてねぇよ。」

「だろうな。あれだけ飲めば覚えていないのも仕方ない。だがお前は私の提案に、確かにYESと言ったぞ。」

「覚えがねぇもんに今更『はいそーですか』なんて言えると思うか?」

「ほう。」カチッ


『でへへへぇうめぇ~うめぇ酒だなぁ~ダハハハー』


ザザッ


『さて、本題に入ろうソマリア。実は個人的な私設部隊を作ろうと計画中でな。そのチームにお前を招き入れたいのだがどうだ。』


ザザッ


『YESだYESぅ~!』ベッロンベロン

『そうか。それは何よりだ。お前ならそういってくれると思ったよ。』

『でぃへへ~カンパーイ!!』

……………

…………

………

……

「と、いうわけだ。」カチッ

「いやいやいやいや!???」

「なんだ。しっかり証拠もあr」

「不自然にノイズ入ってんじゃねーか!!レインの仕業か!?」

「大体格好つけてそんな骨董品のテープレコーダーなんかに入れっからノイズが入るんだろうが!」

「いやに饒舌じゃないかソマリア。あまり口数を増やすなよ。誤魔化してるように聞こえるぞ。」

「てめぇ………マジな話か……私設部隊なんてぇの作るとはよ……。」

「あぁ。優秀な手駒は多いに限る。それに充分すぎる報酬も与えている。少なくともフリーでやっているよりはマシだと思うがな。」

「んじゃアレかよ。さっきまで俺を追いかけ回してたのは……。」

「あぁそうだ。まだ新人だが、中々に優秀だよ。【パーソンズインタレスト】に関わっているところを見つけてね。」


「そこまでにしなよグッドマン。確かにあんたに組するとは言ったが、その件はあたしらのヤマだよ。」


赤髪の女が、路地裏の入り口から声をかける。後ろにはサムライと、女子高生。


「やれやれでゴザる。やっと追い込めたでゴザるよ。」

「グッドマンさぁん!?!なんでここにいるんですか!!??」

「む、サヲリか。お前こそ、レインに言われてここに来たのではないのか?」


「おいおいゾロゾロとご到着かよ。」


呆れたようにぼやくソマリアに、グッドマンが不適な笑みを見せる。


「彼等には、ソマリア、お前を私の元に連れてこいと命令を下した。まぁ、おびき寄せた形にはなったが、一応成功と言ったところか。」

「そしたら拙者帰ってもいいでゴザろうか録画してあるドラマを早くみたいでゴザる。」

「あぁんたは黙ってな!続けてどうぞ。グッドマン。」

「うむ。それでだ。ソマリア、再度問おう。」


グッドマン「私の犬になれ。」

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