一話惚れ
いつの頃からか、あなたと頻繁に電話をするようになって。
こっちからかけることもあれば、あなたがかけてくれることもあって。
いつもリダイヤルでかけるから、電話帳を開く必要もなくなるくらいになって。
電話で話すときは、最初にだいたいこうやって聞くよね。
「ねえ、いまなにをしてるの?」
って。
するといつもあなたは言う。
「呼吸」
笑うのをこらえながら、仕方ないから質問を変えるよ。
「じゃあ、いまどこにいるの?」
って。
するといつもあなたは言う。
「地球」
そんなくだらないことを。
平気で言う。
本気で言う。
そんなことが何故だか妙に愛おしくて。
だから僕は言ったよ。
恥ずかしい気持ちを我慢して、正直な気持ちをそのまま言ったよ。
「
って。
すると微笑ってあなたは言ったよ。
「じゃあ電話切ろうか」
そんなくだらないことを。
大人気なく言う。
自慢気に言う。
こんなことも何故だか妙に可愛らしくて。
あのとき目の前にあなたがいないことが、どれだけもどかしかったことか。きっとあなたには、わからないだろうね。
この現象のことを、なんて呼べばいいかな。
「
「
とにかく。これが。
僕があなたとずっと
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