第15話 伝説のレジ打ち(10/22)

行きつけのスーパーに買い物に行って

いつもその姿を探してしまうレジ打ちさんがいた。


彼は人気者でいつも彼のレジだけ混んでいた。


私も何度となく彼にレジをお願いした。


彼は全部ポリ袋に丁寧に入れてくれるし、とっても丁寧。



「お人参さん、ピーマンさん、お芋さん……、お洗剤はこの袋にいれますね。お肉さん、お豆腐さん……。ポイントカードはあります?」

「あの、見つからなくて…」

「いいのいいの、ゆっくり探して。そういう時ってあるわよね。慌てないでいいのよ」

「ありがとうございます。あ、ありました」

「あー、よかった♡」


無愛想なバイトの兄ちゃんより、パートのオバサンより幸せな気分になれたのに……。


ああ、もう一度彼のレジに並びたい。

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