五.一九三八



 首は据わってる、と言われても怖い物は怖い。

 「ちょっとエド、不器用過ぎない?」

 「うるさいな、俺は片手だぞ?」

 「それにしたって下手過ぎる」

 当たり前だろ、赤ん坊なんて抱いた事ないんだから。

 待ち合わせの十二時少し前にエルンズド出版を訪れると、ちょうどカタリナが昼飯を届けに来た所だった。片手にはランチのバスケット、そしてもう片方には愛娘のアナスタシアがいた。去年の夏に産まれたとは聞いていたが、会うのは初めてだ。

 古い言い伝え通り、三つまではたくさんの人に抱えて貰いたいとカタリナが言うので、原稿の封筒をデスクに置き、おっかなびっくり小さな赤ん坊を手に抱いた。左手でお尻支えたら大丈夫よ、とカタリナは気安く言ってくれるが、こちとら正直初心者だ、勝手が全く分からない。居心地が悪いだろうに、泣かずに堪えてくれているアニーは何て良い子なんだろう。金茶の髪も、丸い大きな目もカタリナに良く似ている。親父に似なくて良かったなあ、お嬢ちゃん。

 「エドはきっと子守りしなかったのね」

 だから奧さん逃げちゃったのよ、とカタリナは笑いながらアニーを取り上げた。助かった、落っことしでもしたら事だ。吹き出した冷や汗をコートの裾で拭った。

 「四十越えて親になった俺より下手だとはな」

 ニコロスがカラカラと笑う。最近遂に煙草を止めたらしく、その所為か少し太った様だ。笑うと顎が二重になる。

 「あのなあ、こんな事してたのは随分前なんだよ、まだ両手も揃ってた頃だ」

 嘘じゃない、実家にいた頃、親類の赤ん坊を数か月預かっていた事がある。三十年近く前の話だが。

 「まあ親はアレでも、息子は立派に育って良かったじゃねえか」

 なあ、とニコロスがデスクに今朝の朝刊を広げた。何で知ってるんだ、目敏い奴め。

 デイリーオデロンの芸能面、小さな記事だが、昨日の独立記念日に行われたコンサートの写真が載っていた。場所は中区の中央公会堂。記事によると客は二千人強、ほぼ満員だったそうだ。そして、演者のひとりがビターゼだった。

 「お前こういう大事な事は先に言えよ」

 「言ってどうするんだよ」

 「決まってるだろ、うちが取材する」

 「毎年恒例の市民コンサートだぞ、素人の集まりだ」

 独立記念日は、四月戦争が終った翌年一九〇六年一月三十日、アドイノラ新憲法が施行されたその日に定められている。この日は国民の休日であり、アドイノラ全土で様々な祝いの行事がが行われる。この市民参加のコンサートも数ある内のひとつだった。オデロン近郊では、直ぐ南のアヘルヴァイツェ市の記念パレードは特に有名で、その時期は各地より観光客が殺到し、首都オデロンよりも人口が増えると言われている。

 「それでも名前入りで載ってるのはお前んとこの息子だけだぞ」

 十代とは思えぬギター演奏と歌声で観客を沸かせた、とある横には、D18を抱えて歌っているビターゼの写真があった。遠写且つ、新聞の荒いモノクロ印刷であるが、それでも演奏するビターゼが楽しそうに笑っているのが分かる。

 「見に行ったのか?」

 「行ってない」

 「どうして!?」

 折角の晴れ舞台なのに、とカタリナは大袈裟に溜め息を付いて見せた。

 「原稿があったからだよ」

 デスクの封筒を指差した。一年前から引き受けている、残党(マルタ)に関する連載記事だ。

 『偽りなき独立を』の声は、アドイノラ各地で日に日に強くなっている。先月、ソーデル市の市長選では、独立強硬派が推す新人候補が初当選した。ニコロズの言う通り、ここへ来て時勢は急激に動き始めている。

 「不慣れなんで中々進まねえんだよ」

 「そりゃ済まなかったな」

 サンドイッチを齧りながらニコロズが言う。欠片も悪いと思ってない顔だ。

 「お前の記事が一番冷静なんだよ、だからうちとしては使いやすい。他の誰に書かせても、どいつもこいつも持論の発表会でいけねえ。ポエムを書きたいなら余所で書いて貰いたいもんだぜ」

 「皆今の状況に思う事はあるさ

 アパートのある通りの街灯は未だ消えたままだ。障害給付金の所得制限も年々下がり、今年遂に四分の一まで減額された。生活保護費も来年から段階的な減額が決定し、年金制度はそもそも機能していない。うちに関しては、今はカルチャー系を中心に七誌八本の仕事があり、ビターゼにも稼ぎがあるのでやって行けるが、高齢者や片親の家庭、病人を抱える家は文字通り命の危機と言える事態になりつつある。その怒りの矛先が現政府に向くのは致し方がないとしても、怒りに任せて殴り付けた所で生活は楽になりはしない。皆で空き地に野菜でも植える方が余程建設的だ。

 「政府が滅茶苦茶なのは間違いないけど、今エルタイと関係を切ったらアドイノラは潰れるだけでしょ」

 「残念だが事実だ」

 サンドイッチをひと切れ摘まんで口に放った。年々不味くなる嘗ては特産だった小麦、高騰する生野菜。ハムも卵もそのうち簡単には手に入らなくなるやもしれない。

 来年の独立記念日は併合記念日になってるかもな、とニコロズが言う。今やジョークにもならない。

 



 深夜。ぱんぱんに詰まった紙袋を両手に下げてビターゼが帰宅した。

 「……何だそれ」

 「貰った」

 何か凄い数のお客さんが来て、皆いろいろ置いて行った。そう言ってビターゼは肩をぐるりと回した。袋の中を覗いて見れば、花束、手紙やカード、アドイノラ伝統の壺ワインの小ボトル、こいつは上物だ、この時勢に余裕のある人間もいるんだな。他には、茶色いモノグラムの包装紙……これは何だ?手のひら大の箱を振ってみると、カタカタ小さな音がした。赤いリボンに刺さっていたカードを開く。見るからに可愛らしい小さな文字が並んでいる。

 「ビターゼさんへ。昨日の公会堂で初めて……」

 「何してんだよパパ!」

 着替えを済ませて部屋から出て来たビターゼが、慌ててこの手からカードを引っ手繰った。

 「プライバシーの侵害」

 「爆弾でも入ってたら困るだろ」

 「そんな訳ないだろ!パパ良いから花瓶持って来て、花を何とかしなきゃ」

 「この家に花瓶なんてあると思うか?」

 「じゃあ花瓶の代わりになりそうなの!水も入れてよ」

 へいへい、全く体の悪い親を何だと思ってるんだ。

 台所に明かりを灯ける。取り合えず牛乳瓶でいいか。空き瓶に水を入れ、ついでに湯も沸かす事にした。深夜のティータイムだ。

 先に牛乳瓶をリビングに持って行くと、ビターゼが床に座り込んで紙袋を畳んでいた。ローデスクにはプレゼントが山と積まれている。その脇に寝かされた花束のリボンを解いて、牛乳瓶に挿してみる。こういうセンスは持ち合わせていないので適当だ。色は黄色とピンクと白、薔薇に似ているが少し違う。

 「ラナンキュラス」

 「は?」

 「ラナンキュラスって言うんだって。女将さんが教えてくれた」

 春の花だから、この時期のは珍しいし高いんだって、と言われれば詳しくなくとも有り難みは増す。現金なもんだ。

 「花、もっと貰ったんだけど、流石に全部は持って帰れないから、それだけにして後はお店にあげちゃった」

 「一体何事なんだ」

 確かに時々店の客から花やら酒やら貰って来る事はあったが、しかしこの数は。

 「僕にも分からないけど、昨日のお客さん達みたい」

 「公会堂のか」

 「百人位かな、お店の外まで人が溢れて大変だった」

 マグの紅茶を啜って、あー温かい、疲れた、とソファに凭れかかった。

 「まあわざわざお前の歌を聴きに来てくれたんだから有り難いこった」

 「うん、まあね。長くは続かないと思うし、素直に喜んでおくよ」

 「それが良い」

 「俺も行けば良かったな」

 一過だろうとは言え、これだけの人がビターゼを目当てに来てくれたのだ、良い歌が歌えたのだろう。カタリナの言う通り、親としては見ておきたかったが残念だ。

 「パパが来ると緊張しそうでヤダなあ」

 「嫌って言うなよ寂しいだろ」

 「パパには家で歌ってあげるよ。それより」

 これが気になってたんだ、とソファに転がったままプレゼントのひとつに手を伸ばした。茶色の包装紙に赤いリボン。ワインと一緒に入っていたあれだ。

 「これ絶対チョコレートだよ、このマーク知ってるもん。デパートのお高いの」

 そう言ってにいっと笑う。成人しても相変わらずだ。



 結論から言えば一過ではなかった。

 男ふたり、さもありなん、の殺風景さだった部屋は取り取りの花で飾られ、リビングの一角には未開封のプレゼントがみっつ、よっつと塔を作っている。

 タイプの手を止めて、壁の時計を見遣る。午後二時。

 ビターゼは昼間も歌いに出る様になった。中区中央駅、駅前広場から程近いカフェバー『イウェーシュ・クラブ』。鉄筋コンクリート製のビルディングの地下、暗い螺旋階段を下りると、そこは古びた色の煉瓦でぐるり覆われた、洞窟状の空間が広がっている。湿気が籠った店内に、テーブルは四列並んで二十程。座席はカウンターと合わせて百少し。昼間は近隣の会社に勤めるタイピストの女達、バータイムは鉄道関係者と駅裏の紡績工場の作業員で賑わう店の奥には、小さいながらもショー用のステージが配されている。そこはオデロンの音楽好きには名の知れた店で、これまで数多くの音楽家を育て、巣立たせて来た。最近ではエレネ・スルバレドがその筆頭だ。

 ビターゼはほぼ毎日通っていた店を金、土の夜だけに絞り、平日昼の一時間、イウェーシュのステージに立っている。通として知られるオーナーに、実力と将来性を認められねばオーディションの声すら掛からない、それがイウェーシュだ。十代でのデビューは何とエレネ以来の事らしく、お客さんが僕の顔見て「子供じゃない!」ってびっくりするんだよ、とビターゼは笑っていた。他にも、歌手の誰々がランチに来た、とか、ビターゼの後に出る女性が初めてレコードを出す、だとか、ビターゼは夕飯の席でそれは楽しそうに話すのだ。

 嬉しさ半分、悔しさ半分、と言うのが正直な気持ちだった。

 自分はそこまで辿り着けなかった。小さなパブを回り、ギャラとチップを集める生活もそれはそれで気楽で良いと当時も思っていたが、オデロンで活動する音楽家なら一度は目にし、憧れるステージだ。出たくなかった、と言えば嘘になる。それこそ、ビターゼがオーディションの参加申し込みを持って帰って来た時は、大袈裟でなく椅子から転げるかと思った。がしかし当の本人は事の重大さを全く理解していなかった様で、「パパ、これ出てもいい?」と市民コンサートの参加オーディション用紙を貰って来た日と同じ風に聞いて来たのだが。

 二時十五分。原稿はちっとも進まない。デスクの側の窓を開ける。空は快晴。三月も半ばを過ぎ、頓に今日は暖かい。公園で昼寝でもしたくなる陽気だ。ワークチェアに背中を預け、目を閉じたその時だった。

 どおん、と遠くで音がして、窓ガラスがビリッと震えた。すわ地震か、いや違う、窓の外、太陽の直ぐ下にもうもうと蠢き広がる黒煙が見えた。

 ──爆発!

 上着も羽織らずアパートを飛び出し、路地を駆けた。先の大通りでは自動車が次々に停車し、通行人は口々に何だどうしたと声を上げ、同じ方を向いて立ち止まっている。あっと言う間に西の空を覆い尽くした煙が立ち上る先は、見るに中央……中央駅だと?何てこった、イウェーシュは駅の直ぐ側だ。ビターゼの出番は一時半まで、まさか。

 ずきん、と右腕の先が痛んだ。

 歩道に立ち尽くした人々の間をぶつかり抜け、駅へ走る。そんな訳があるか!祈りながら信号を幾つか越え、あのチョコレートのデパート前の交差点を曲がる。右手に駅舎が見えた、その時。

 「ビターゼ!」

 「っパパ!どこ!?」

 我ながら良く見つけたものだ、駅から走り逃げる人の群の、その中にビターゼはいた。人を掻き分け、歩道の端までやって来たビターゼは、二、三度苦しそうに咳をした。

 「大丈夫か」

 髪もカーディガンも埃で真っ白だが、大きな怪我はなさそうだ。汚れた頬をシャツの裾で拭ってやる。

 「僕は何ともない、けど、倒れてる人達がいた」

 助けなきゃ。そう呟いた声はしかし震えていた。怖かったのだろう、当たり前だ。二度目だぞ?畜生が、何でこいつばっかりこんな目に遭うんだ。

 「良いんだ」

 「でも!」

 「お前の方が倒れそうな顔色だ。心配しなくとも警察も消防も直ぐ来る、他人より自分の心配をしろ」

 息の上がったビターゼの背中を擦りながら道を戻る。途中もう一度どん!と破裂音がして、ビターゼは肩を震わせた。

 「ギター、痛んでるかもしれない。落っことした」

 「折れようがヒビが入ろうが直せる」

 「折角、買って貰ったのに」

 いつの間にか同じ高さにまでなった頭をがしがしと撫でてやると、ごめんなさい、涙混じりの声でビターゼは言った。

 「良いか、物は直る、買い換えられる。人間はそうはいかない。お前が怪我しなかった方が俺は嬉しい」

 分かるな?と尋ねると、ビターゼは俯いたままひとつ頷いた。

 ちらり後ろを振り返った。煙は未だ細く上がっている。遠くからサイレンの音が聞こえて来た。

 アパートに戻り、取り合えずビターゼをソファに寝かせた。家に帰りついた安心からか、肺が圧で潰れるんじゃないかと思う程に大きかったビターゼの呼吸は徐々に落ち付きを取り戻し、少しほっとした。

 パパ、と呼ばれ、落ち着いたか、と尋ねると、ラジオ付けて、と言って来た。

 「今付けてもニュースになってるぞ」

 「うん、ニュース。どうなったか」

 「気持ち悪くなるぞ」

 「分かってるけど、気になって」

 「……駄目だと思ったら言え、良いな」

 ラジオのスイッチを入れると、中の真空管がぼんやり赤く光る。やがてがざがさしたノイズと共に、女の声で、駅に近付かないで下さい、と聞こえて来た。

 『繰り返します、午後二時十五分ごろ、オデロン中央駅で大規模な爆発がありました。爆発の原因はまだ分かっていませんが、相当数の死傷者がいるとの情報が入っています、また、駅舎は半壊し、屋根が崩落する恐れがあるとの情報も到着しています。付近の皆様は早急に避難して下さい。警察からは……』

 ああ、やはり死人が出てしまったか。平日の昼間とは言え、そこはオデロンの中心街だ、それなりの数の人間がいた筈だ。

 「爆発、半壊、崩落……、聞いてるだけで嫌になるな」

 あの日を、それからの日々を、どうしても思い出してしまう。駄目なのは俺の方か、とビターぜに気づかれぬ様小さく息を付いた。

 『……事故と事件の両面から捜査を進めると発表しましたが、目下、住人の避難と被害者の救護を優先しており、真相解明には時間が掛かりそうです』

 「……事件だよ」

 「お前、何か見たのか」

 はっきりとは分からないけど、と前置きして、ビターゼはソファから体を起こした。

 「イウェーシュを出て、駅に向かって歩いてたんだ。駅前広場に来た辺りで、後ろからすごい速さで駅に走る女の人に追い抜かれて、……その時に、何か変わった人だなって思ったんだ。手ぶらだし、今日は暖かいのに膝まであるコート着て、フードまで被ってたから。その人が、そのまま駅の階段を駆け上がって、コンコースで何か叫んでて……、そしたら……」

 「そいつはどうなった」

 「……分からない、でも」

 逃げる時間はなかったと思う、ビターゼはそれだけ言うと顔を俯けて膝を抱えた。

 ビターゼの言う事が事実ならば、その女は恐らくテロリストの下っ端だろう。脅されたのか、狂信者なのかは知らないが、どこに唆されたのは見当が付く。

 これはニュースにもなっていない事だ。今年の頭に、軍と議会宛に手紙が届いた。手紙と言えば聞こえは良いが、内容は要するに脅迫状だ。

 『リデリオ・アルバマを早期に釈放せよ、彼は既に刑期を全うしている。不当な拘束に対し民の怒りは最早天を突く程に激っている』

 リデリオ・アルバマ──ダウィド・アルバマは十二年前の大規模デモの首謀者のひとりだ。本名を知ったのは最近、あの頃はリデリオ(指導者)とだけ呼ばれていた。当時三十前後に見えていた彼の男は、多数いたリデリオの中では物静かで一見地味な印象だったが、非常に頭の切れる男だった。 

 ニ七年の末に逮捕された。検察は、国家転覆を謀ったとして大逆罪に問いたがったが、当時のアドイノラでは未だ完全独立を望む声が高く、国民感情に配慮した形で大逆罪での立件は見送られた。結局、傷害や器物破損やらの合わせ技で懲役は八年。連中の言う通り、奴の刑期は既に終わっているが、何せ本来は思想犯だ、警察としては是が非でも檻の中に止めておきたいだろう。何かと理由を付けては期を延ばし、結果奴は未だ釈放されていない。

 『……送先は中地区のオデロン中央病院、警察の発表ではこれまでに死者が三名、意識不明の重体が十六名、現場からは、多数の人が瓦礫の中に取り残されていると言う情報も……』

 ラジオを切る。聞いているだけで滅入りそうだ。

 「……どうしてこんな酷い事を……」

 「世の中にはいろんな奴がいる、皆が良い人間とは限らない」

 「……おかしいよ、そんなの……」

 臓から絞り出したかに掠れた声。隣に座り、左手で頬に触れた。

 生意気に育ちはしたが、根は繊細で優しい子だ。しとしとと降る涙が、指の間を幾重にもするり落ちて行く。

 「おかしいさ、こんな事、あっちゃいけない。お前の言う通りだよ。己の勝手の為に他人を殺す、そんな事、許される訳がない」

 ビターゼは、何度も小さく頷いた。

 「……警察に行って話した方が良いよね」

 「いや」

 既に役所や警察には犯行声明が送り付けられている事だろう。テロは相手に首謀者がどこのどいつか伝わらなければ起こす意味がない。

 「どうして?マルタの奴等がやったんだよ、早く止めさせなきゃ」

 「……何を根拠にそう思う?」

 「あの女の人、僕を追い抜いた時、笑ってた。笑いながら、歌ってたんだ」

 ビターゼが歌う。

 太陽は昇った、始まりの朝。

 太陽は昇った、冬は終わる。

 呟かれる様に紡がれた歌は、美しくも忌まわしい、あの革命の歌だった。


 

 

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