Ep:5「私は兄さんを愛する妹!その名も優です!…姉さん?」

私の名前は榊原優。

今年で高校生になったばかりですね。

取り敢えず、私の容姿ですが、髪は少し脱色気味の灰色で首元くらいの長さですね。瞳は眠たげな眼をしていて何を考えているのか読めないと、表情が読めないとよく言われますね。

スタイルは年齢の割にはあまりよくないと思う。他の同年代からしたら幼さがあるようです。まあ、それも、どうでもいいことです。……兄さんがどう思っているかは別ですが。


私の家族構成は直兄さんだけ。

私の一つ上の兄さん。

兄さんは男性ですが、顔は女性の様に可愛く、長い黒髪をしています。ある時髪を切ると言い出しましたが、無論私が止めました。

とにかく兄さんはすごく可愛いのです。


…他の?…他なんて知りません。

両親なんてものは唯の記号でしかない。何せ、実の子供である私と兄さんを置いて出て行くような親だ。どうでも良い存在なのです。

私にとっての全ては兄さんだけなのです。


実は私にはちょっと困った趣味が一つあるのです。

それは……兄さんが困った顔を見る事なのです♪。

私の無茶なお願いを聞く時の兄さん。その表情は凄く可愛いのです。


ある時です。

私の頭の中で閃いたのです。兄さんに女装をさせるともっと可愛い兄さんを見る事が出来るのではないかと。

そんな考えが浮かびました。


私は早速、嫌がり渋る兄さんに、予め用意した女性用の服とスカートを無理やり着せ女装させた。

まあ見事に私の予想通りとなった。

うん。凄く可愛い。

試しにそのまま外出してもらったら、害虫共が群がったりしたくらいですね。

しつこいのは私が秘密裏に……ふふ。

とまあ、とっても女装を嫌がり困った表情の兄さん。まあ、それだけでも濡れるのだけど、兄さんは基本、私の言う事を何でも聞いてくれます。


兄さんが私の要望を逆らわず聞いてくれる要因としては、私の頭脳と才能でしょうか。

私は、周囲からは天才少女と呼ばれている。何をしても(一部以外)一定以上の成果を得る事が出来る。

例えば…子供の頃から色んな絵画を描いては出展し賞を貰い、小学生の頃に書いた論文が、「これを小学生が!?」と高い評価を得たり、中学の頃には沢山の研究を成功させたこと。それらの特許もあり、私の資産は億を超えているのです。

どうでもいい両親も、私の資産を頼っている場面があったけど、一円たりとも渡さない。

だって、それは全て私と兄さんの為のなのだから…

当然両親はお金を出さない。故に兄さんが通う学費や生活費は私が出している。

故に兄さんは私の言う事が何でも聞いてくれる。


誤解されるのも嫌なので言っておきますが、私は兄さんを愛しています。

この世界で唯一私を包み込んでくれる唯一なる者なのです。

ずっと一緒にいてくれる優しい兄さん。

こんな私を困ったように笑みを浮かべながらも温かく接してくれる兄さん。


幼き頃から1人の男性として、私は、榊原直に恋していた。


けれど、私達は家族。血は絶対なるもの。

結ばれることは少ない確率なのです。


ある時、私は考えた。

結ばれるのが駄目なら子供だけでもなんとかならないかなと。

けど、近親による子供は高い確率で免疫力やらが低い状態で生まれるとデータがある。

私達の幸せの象徴となる子供が不幸では意味がない。


そこで私は新たに遺伝子学を学び習得するとそれらの研究に搾取し始めた。

同時に、私は兄さんが他の女性と付き合ったりしては意味がなくなるのでそれとなく妨害工作を行った。

兄さんが結ばれるべきは、この私なのだから。

とまあ、兄さん女装化は他の女共から遠ざける処置でもあった。

……まあ、私の趣味が殆どだけどね。



私は、今日メールに、数日前に注文していた物が届いたと受け取った。

当然兄さんに取りに行ってもらった。

基本、私は家から出ない。研究は家でもできるからだ。所謂引きこもりとも言うかな。

一応、今年の春から、私立フォルトゥーナ学園に在籍はしている。…ほとんど行ってないけど。行ったのは入学式と数日のみ。

進学なんてメンドイと思ったのだが、兄さんがどうしても進学はした方が良いなんて言うから、仕方なくである。


兄さんが外出して行く。当然今日も女装させて送り出した。

兄さんに異性との出会いなんてものを作らせない為である。まあ目の保養の為が大きいかも、ふふ。


でもまさか、この女装が、兄さんが姉さんになる一因となるなんて夢にも思わなかったかな。



私は、兄さんにはこっそりと盗聴器やらを仕込んでいたりする。その日も当然取り付けて…まあいいでしょう…

買い物を終えた兄さん。どうやら問題なく帰って来られる。そう思った矢先だった。

兄さんに何かトラブルが起きた事を直ぐ把握する事が出来た。

いや、すべて把握出来た訳ではなかった。

私でも良く理解不可の要素がいくつかあった。

“兄さんが誰かを助けようと事故に遭ったがそんな事実がなくなっていた”

“兄さんが何やら『奇跡』とやらで男性から女性になったと言う事”

“天使を名乗る『愛紗』と言う名の女の存在”


どうやら2人は一緒に家に帰ってくる事が分かると私は玄関で兄さん、改め姉さんを迎え入れた。

姉さんビックリしていた。

驚いたその表情、やっぱり可愛いです。女性化した事で女性の持つ魅力がプラスされた為か今までよりも可愛く見えた。


姉さんと愛紗さんをソファーに着かせる。そして事の経緯を聞いた。

聞いたあと、徐に私は姉さんが本当に女性になったのか気になった。

そして私は姉さんのスカートを遠慮なく捲り上げる。姉さんは可愛らしい悲鳴を上げる。ご馳走様です。更にスカートから手を離すとスカートを直している真っ赤な姉さんの胸に手を伸ばす。そしてこちらも遠慮なく揉みしだいた。慣れない感覚に悶える姉さんグッジョブです。変な感性が更に目覚めそうでした。あと揉んでみて自分にはない柔らかさがあって驚いたのは秘密です。


そのあと、今後に関しての話し合いで私は兄さんに、私の秘めた想いを打ち明けました。

私の研究はまだ完成してないので、時期早々かなと思いましたが。


まあ、気長に待ちましょう。

どうやら愛紗さんによれば、姉さんが兄さんに戻るには最低でも1年掛かるそうですし。

取り敢えず、同じ学院に編入させ監視するとしましょう。


……はぁ~学院なんて、面倒臭い。


あっ!

あと、愛紗さんですが、何だか私に近い匂いがする気がするので仲良く出来そうです。

女は全て兄さんを惑わす存在ですが、なんとなく彼女とは仲良く出来ると思うのでした。


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