億。







僕は一人じゃないし 敵もいない

希望に満ち溢れた歌で

あなたを救えたら どんなによかっただろうか

あなたは一人かもしれないし 味方はいないかもしれない

僕はあなたを救いたいが

あなたの味方にはなれないんだ ごめんね


狂おしいほど弾んだステップで

カラーボールは自転をやめた

宇宙の開闢からこのほしはなんかい回った?

僕らの足跡はなんかい滑り出した?


摩擦係数を気にしない紙面の上で

摩擦がないと書けない鉛筆を走らせた

写真に撮ったペンだこ

うっかり写り込んだ涙の記憶


世界はどうにも歌が好きなようだ 僕もそうだ あなたもそうかな

そのくせ価値を低く見積もったりしてさ

好きな奴らで遊んでりゃいいだろって具合に


心はどうにも神様が好きなようでさ 口では嫌っても 求めちゃってるんだよ

そうして価値を見失ったままでさ

僕らの勝ちはもうどこにも見えないや


希望に満ち溢れた歌で

あなたを救いたかったよ





雷が突き破る空の下

カラーボックスに血糊がついた

掃除をしないで何日経った?

埃だけが君の友達じゃないのか?


ゴミのような あまつさえ生き甲斐のない日々を

死ぬのが怖いからと先送りにした終の神社

言葉が指し示した矢印

ここに繋がるベクトルは皆無だった


僕らはいつまでも苦しいようだ きっとそうだ そう信じたいんだ

苦しさから抜け出したあなたが 憎たらしくてしょうがないよ


明日はどうにも太陽が好きなようだ 毎日お迎えして 律儀にお別れさ

希望に満ち溢れた歌で

あなたを救いたかったよ

勝手に救われてしまったあなたを





暗がる 群がる サチった愛情の造花

増加

透過

して燈火


傾いた地平線は 僕が重力に負けたからだろう

寝転んだ下は砂浜じゃないさ

コンクリにでも頭を打って死んでしまえばいいさ









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