第3話 友達
「…なあ、手ぇ貸してくれよ」
「…」
「俺とお前の仲だろ?なぁ、頼むよ。これ、開けてくれよ。出れなくなっちまった。」
「…」
「俺ら、もう10年も一緒にいるんだぜ?固てぇ事言うなよ。なぁ」
「…」
「悪かったって、悪かったよ。なぁ、なんか言えよ」
「静かにしなさい。もう消灯時間は過ぎたぞ。寝なさい。」
拘置所の看守は大きな欠伸をした。
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