第48話 読者への挑戦状


 読者への挑戦状


 本来であれば、異世界ファンタジーにこのような挑戦状を差しはさむのは、いささかおもむきが違うのであるが、ミステリに限定せず、何事も読者にフェアであれという態度をとるのは理解していただけるのではないかと思う。

 私は宣言する。この世界について、十分な情報が与えられた。読者のあなたが、当該とうがいの物語により与えられた数多あまたの情報の中から、論理のふるいをかけて、真実にたどり着けることをいのっている。

 この挑戦状に提示ていじされる謎は、いたってシンプルである。

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 読者の明敏めいびんな頭脳であれば、ただ一つの結論にたどり着けよう。もうすでに、その手がかりは読者の前に示された。あらかじめ、手がかりは一つだけではないことをここで断っておく。さらに、書き手が読者をだますような叙述じょじゅつトリックも暗号も使用されていない。以上のことを私は保証する。

 また、この挑戦を受ける資格がある読者諸君どくしゃしょくんに必要なのは、想像力と論理だけである。

 最後になったが、改めて書こう。私は読者に挑戦する。



                              作者より

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