第5話 イザナギ、イザナミ
「わたしの予知夢がはずれるなんて、何か複雑な気分だわ」
ひかり姫は小舟にゆられながらつぶやいた。
「何をおしゃいますか。姫さま。命あってのものだねですよ」
モグラ男は自分の青い左目を海面にうつしながら、不思議そうに、何度も自分の姿をみていた。
黒く短い髪、左目はひかり姫と同じ青色、右目は黒く、さすがにひかり姫と比べれば大きいが、がっしりした
父親が遺してくれたボロの上衣と毛皮の
「
ひかり姫は右目に布を巻いた顔で、
「うん、だいじょうぶだよ」
「そんなに海が不思議?」
「うん、きれいだし、ものがうつってたのしいね」
モグラ男は水面に手をさしいれて、何度も海水をすくった。
それから、まじないで風をよんで、小さな
目指すは、
その日本の神話の最初の夫婦の名をもったふたつの島は、寄り添うようにすぐ近くにある。
イザナミ島には
イザナギ島は
ひとまず、このお話はここで終わる。
ひかり姫たち、三人のその後の冒険の話はたくさんあるが、それはまたの
おしまい。
「モグラ男と、ひかり姫」 完
モグラ男と、ひかり姫 坂崎文明 @s_f
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