〈対話神水晶〉(マゲイア・フォン)

◆〈対話神水晶〉(マゲイア・フォン/Mageía phone)とは、スマートフォンと同じ機能と役割を持つ、透明度が高い水晶に似た結晶体で作られた神具である。


◆この神具は使用者の誕生時に、対話の神ロク=ディスケプタティオによって授けられる。大きさは平均して縦一八センチメートル×横一〇センチメートルである。


◆基本的に誕生時に人間族・獣人族・魔族・〈森笛人〉・〈石砕人〉・〈小人族〉、また温和巨人族の全員に与えられる。その為、異世界(地球世界)から訪れた者は持っていない。


◆所持者の魂魄と密接に繋がっており、紛失時には所持者が『手元に来い』と念ずるだけで目前に瞬間的に出現する。また、所持者が身体的に異常な状態に陥った際、警告を周囲に伝える事も出来る。


◆動力源は所持者が持つ生命力。なので、所持者死亡の際には使用は不可能になる。ただ、所持者が魔術師や魔族であった際は、魂魄を〈対話神水晶〉に移動させる事も出来る。また小規模な魔術をストックしておく事も可能で、呪文詠唱なしで瞬間的に魔術を展開させる事が出来る。


◆また魔力が強い者は複数個の所有が可能でる。その為、高い実力を持つ魔族やベテランの魔術師は、四~五台の〈対話神水晶〉を持っている事が普通である。


◆複数個持ちたい場合は、ロク=ディスケプタティオ神殿に赴き、神官に金銭を払って購入する。また、ロク=ディスケプタティオ神殿は、異世界(地球世界)から来訪した異世界人の身分登録・保証を行う業務も行っており、異世界(地球世界)人は、ロク=ディスケプタティオ神殿で身分登録を行わないと、国際法で自由に空域世界を移動出来ない上に、〈対話神水晶〉を貰えない。


◆空域世界は〈対話神水晶〉の使用が前提となった社会なので、〈対話神水晶〉を持っていないと日常生活が送れない構造になっている。その為、ロク=ディスケプタティオ神殿で身分登録を行わなかった異世界(地球世界)人は、裏稼業で稼ぐ他にない。


◆ただ、空域世界に来訪した異世界(地球世界)人の多くは、ロク=ディスケプタティオ神殿が派遣している巡察使によって保護・捕縛されたり、通報によって地元警察に身柄確保され、神殿に送致されるケースが多く、〈対話神水晶〉が貰えないケースは滅多にない。

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