第3話
…俺は1歳になった。
我が家のこと。この国のこと。スキルのこと…いろいろ分かった。
まず我が家は、王国名誉貴族ってなに?って思った人もいるだろう。
名誉貴族とは、父さん…ジークが10年前に起こった戦争で冒険者でありながら多大な功績を挙げたことで一代限りの貴族になったのだそうだ。所謂、騎士爵と同等の準貴族ってやつだな。
まぁ貴族といっても、領地なんて全くないし屋敷が少し広くて庭がある程度…それに少し年金がもらえるぐらいだ。
それに、王国の入り口には門があるのだが、この近くに屋敷が与えられた。
簡単に言えば、何か問題があれば身を盾にして王国を守れってことだな。
この国は、アーリナル王国といって、大陸の中央部に位置するそこそこ大きな国だった。様々な種族が助け合いながら過ごす穏やかな国だ。
北にはエルフが住む原生林があり、入ったものは迷い…そのまま帰らぬ人となる魔の森がある。
東には険しい山脈を挟んでガレイン帝国があり人族至上主義の気にくわない国がある。奴隷の扱いが極めて悪く、他の国々からも嫌われているらしい。
南には海といっても問題ない大きさの河川を挟んで魔族の領域がある。…余談だが、小さい頃は、悪い事をすると魔族がきて頭から喰われる…という日本で言う所のなまはげのようなありきたりな話があるようだ。
西には獣王の住むカレイル獣王国がある。獣人達は、獣人の種族特有の身体能力やスキルを持っており、人口の多くはその名の通り獣人が多い。ちなみに、うちの王国に一番仲がいいらしい。
一応大陸の国で言うとこんな所だな。他にも小さな島や大陸はあるようだが…あまりこの国は関わっていないらしく情報を得れなかった。
そして、
また、例えば
しかし、まずスキルを習得すること自体が難しく、例え習得出来たとしても血の滲むような特訓と才能がなければスキルレベルは上がらず中級者の領域には到達すらできないようだ。
さらに、稀に俺のような召喚士等の
召喚では、魔物や精霊といった者を召喚できる。…召喚者の魔力によってそれらを召喚するのだ。
また、召喚した際に1人で戦い、屈服させなければ契約できないという厳しい職業なのだ。
それに、一般的に召喚士が
ちなみに一般的な召喚士で良くて3つの契約しか結べないそうだ。過去に5つの契約を成した人もいるそうだが…数える程しかいないようだ。
あと、相手のステータスを見るには鑑定石というアイテムに手を翳さないと見れないらしい。
そして、10歳になり初めて神殿でステータスを確認し
この世界では、レベルやスキルでステータスが形成されている。
魔力も人それぞれあるのだが、内包量は多いか少ないかしか分からない。
スキルは、レベル1〜3が初級者、レベル4〜5中級者、レベル6〜7上級者、レベル8〜9達人、レベル10神域…となるらしい。達人の域に到達するのは世界でも一握りの人達だそうだ。神域には、現在数人程到達している者もいるようだ。
レベルは10歳の時に平均で5〜10レベル辺りであり、レベル20になると一般的、レベル30になると上級、レベル40だと達人…レベル50以上になると世界でも100人をきるらしい。
…つまり、10歳までは自分の子供は何の
父さんも母さんも俺が召喚士だということを知らないため、今なお隣の部屋で今後の計画を話している。
午前中は魔法、午後は大剣術を叩き込むらしい……。
俺、まだ1歳なんだけど死なないよな…。
…3歳になった。
うん。あっと言うまだね…。ちなみに、まだ本格的には魔法も大剣術も習っていない。
しかし、母さんが、魔法の本を主に読み聞かせてくれている。そして、時々一緒に書斎にいき、召喚術に関する本を探し出し読んでもらうようにせがんでいる。
もちろん毎回召喚術に関する本をせがむのは怪しまれるため、色んな本と混ぜながら読んでもらっている。
1歳の時から2年も毎日読み聞かせをされたら大抵内容覚えちゃいました。…ってか、覚えない方がすごくね⁈
…ってなわけで、自室です。
隣の部屋では夫婦仲良くしている音が聞こえてくる
…あの音だよね。まぁ若いんだから仕方ないか…。
出来れば妹がいいな…。
聞こえてくる音は気になるけど、毎度のことなので無視‼︎
魔法が何たるかが分かった頃から毎日内緒で練習している。
そして今日…やっと水魔法レベル1を取得できた……………。
お約束なおねしょみたいになってしまった…最悪だ…布団までビショビショで床まで垂れている…。
こういう時は‼︎‼︎
コンコン……ガチャ…
「父上、母上ごめんなさい…ぐすっ…布団がダメになっちゃった…ぐすっ…」
母さんの上に覆い被さるように父さんがポジションをとっていた…暫く固まっていたが気付いたように母さんがローブを着てベッドを抜け出してくる…慌て様が半端ない…
「いいのよ。恐い夢でも見たのかしら、おねしょをしたのね。すぐにアルマを呼ぶから少し待ってね。」
母さんは、何もなかったかのように振舞っていた…。まぁ、知らないふりをしよう。
あっ、ちなみにアルマっていうのは、俺を取りあげてくれた家政婦だ。昔からの父さんの知り合いらしい。
そうして、夜が更けていく…。
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