ろりばばぁのロリババァ

@boko

媚薬ってあるじゃろ?

 「媚薬ってあるじゃろ?」ロリババァは私に対して突然そんな事を言いだしてきた。

 「媚薬?」

 「そう媚薬。対象に好意を抱かせることが出来る薬じゃよ。」意味深な笑みを浮かべながらロリババァは冷蔵庫からボジョレーヌーボの瓶を出す。

 「またそうやってお酒は体に悪いから止めなって言ってるのに。あぁラッパ飲みしない。」私が止めるのも気にせずロリババァはボジョレーヌーボの蓋を開けゴキュゴキュと牛乳を一気飲みするように喉から音をたてて飲み始めた。

 「…げぷっ、マズイ。貴様が私の好意に答えてくれないから酒に溺れるしかないのじゃよ。」ロリババァは早くも顔を真っ赤にしながらそう言った。

 どうやら私はロリババァに好意を抱かれてしまったらしい。だが私が小さい頃からロリババァはロリババァだから、この年齢になって好きと言われても付き合いたいとかそういう感情は芽生えない。

 ロリババァは魔法使いだ。この町では昔からいた存在で一種の神様と思っている人もいるが彼女は魔法使いなのである。

 「でも、昔からロリババァはロリババァなんだもん。そんないきなり好きとか言われてもいまいちピンとこないし。」近所のオバサンみたいなものだ。近所のオバサンに告白されても困惑してしまうだけなのである。

 「じゃあなんじゃ、儂がこの姿だからいけないとでも言うのか?」ロリババァは自分の色気が無い体を見て私に問いかける。

 「いや、そう言うわけではないけれどさ。」私は困惑下表情を取るとロリババァは不機嫌になりボジョレーヌーボの瓶の中身を全て飲みほした。

 「あー、酒がないとやっていけんわ。眠いから布団用意して。」ロリババァに言われて通りに私は押し入れから敷布団を取り出すとそれを広げロリババァを布団に誘導する。

 「というか媚薬とかさっき言ってたけど、その話はどうなったんだろう。」私は酒を飲む前のロリババァの発言を思い出したが眠そうなロリババァに聞くのもなんだか申し訳ないからまた今度聞こう。

 床で寝ようとしているロリババァを背中で背負って布団の所まで連れていくとロリババァは意識が朦朧としているのかやけに眠たそうな声で呟いた。

 「少し前まで儂と同じぐらいの背じゃったのにこんなに大きくなって、皆そうやって儂を独りぼっちにしてしまうんじゃ。」少し悲しそうな声をしたロリババァの頭を撫で布団に寝かすと気持ちのよさそうな寝顔を浮かべていた。

 

「おぬしが儂をあそこまで運んでくれたのか?」頭を押さえながら目を覚ましたロリババァは寝ぼけた顔で私の方を見る。

 「気にしないでよ。二日酔い大変でしょ?まだ寝てなよ。」味噌汁を温めながら私は布団にいるロリババァに話しかける。

 「そうやって優しくされると余計ホの字になるのじゃが。」ロリババァは頬を染めて布団で顔を隠しながら呟いた。

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