苦汁を愛し、故人を偲ぶ。

平日の朝だと言うのにも関わらず、村全体が落ち着きを無くしていた。



せわしなく右往左往する女。あっちの物をこっちへ、こっちの物をあっちへと機材を運び続ける男。偉そうな態度で若者に指図する老人。大人たちの周りでやかましく走り回る子供。



今宵に行われる『紙渡し』の準備に追われ、人々は多忙を極めていた。明かりの灯っていない提灯ちょうちんやら折りたたまれた屋台などが、村を一直線に貫いている通りに散乱していた。毎年思うのだが、朝早くからバタバタとするくらいなら昨日の時点である程度は準備しておけばいいだろうに。学習能力のない連中だな。


そんなオメデタイ連中に絡まれては、ほぼ確実に「お前も手伝え」などと言われかねないので、誰とも目を合わせずに目的地へと足を急かす。この調子じゃたけるのおっさんも大忙しだろうな。




絹羽きぬば商店に辿りつくも、案の定店は村民たちでごった返していた。発注した物を受け取りに来た連中だろう。


しかしながら、肝心のおっさんが見当たらない。その代わりに次から次へとやってくる客の対応に追われている石光いしみつりょうの姿が見える。朝っぱらからご苦労な事だな。


こちらに気づいた石光は、荷物の受け渡しやらを中断してこちらへやって来る。


「やあ綴火。珍しく早起きだね。すまないがこの通り大忙しでね。用事があるならもう少し待っていてもらえないか?」


「お前なんぞに用があるわけないだろ。おっさんはどこだ」


「親父なら家でパソコンを構っていたよ。やれやれ、息子に面倒事を押し付けておいて我関せずとはね…親父には困ったものだよ」


「一生そのまま困ってろ」


やれやれ言っている石光を放置し、絹羽商店の二階へと向かう。おっさんの家は下は店、上は居住空間という実に理にかなった構造だ。


とりあえず玄関に設置されているインターホンを鳴らしてみるも反応は一切なく、家屋の中から音が聞こえてくるわけでもなかった。


ここで待ちぼうけを食らうわけにもいかないので、鍵のかかっていないドアを開けて上がりこむ。


パソコンのキーボードを叩く音が聞こえるので、おっさんの部屋へと向かう。俺はノックもせずに無遠慮に部屋のドアを開く。


カーテンが閉め切られ暗闇が支配する部屋には、いくつもの液晶画面がズラリと並び、それらのバックライトが局所的にこの部屋を照らす。よくわからないアニメキャラのポスターやタペストリーで壁一面が埋め尽くされており、おびただしい数のフィギュアが入ったショーウィンドウが立ち並んでいる。


「…インターホンくらい応じろ出不精め。それでも接客業を営む人間か?」


おらぁ今立て込んでんだよ。つーか、人様の家に勝手に上がりこむったぁ素養もクソもねぇ所業だな。詠の字よ」


こちらを見向きもせずモニターを凝視している痩身のおっさん…絹羽きぬばたけるが悪態をついてくる。モニターのブルーライトが縁取るシルエットからは、燻る紫煙がもくもくと立ちのぼる。


おっさんが覗きこんでいるモニターには、折れ線グラフやら棒グラフやら数字やらが表示されており、そのグラフは垂直とも呼べるほど真上へ上昇している。


「これはチャートか?」


「おうよ。見事なナイアガラだろ?俺ぁ気持ちわりぃくらいにボロ儲けしたが、世界のどっかじゃ人の雨が降ってんだろうな。泣ける話だぜ」


そう宣ったおっさんのイントネーションに抑揚などなく、至って気怠そうな声をしている。完全に他人事だな。


「こんな数字の変動に命を預けるだなんて、俺には考えられない愚行だな」


「まあ金儲けが目的でトレーダーになるような輩はそんなもんだ。あー……丁度良い。詠の字に頼まれていたもん、そこに置いてあっから回収しとけや」


おっさんが顎で指し示す先を見てみるも、フィギュアの空箱が散乱しているだけだ。


「……まさかこの中に埋まっているとは言わんだろうな?」


「言ったらどうする?」


「とりあえずヘッドロックだな」


「ちょっ、タンマタンマ!!ギブギブ!!やめてください!!死んでしまいます!!というかタバコ危ねぇから!?離せ!!話せば解る!!」


「お前はどこの犬養毅だ」


おっさんの顔がなにやら危ない色へと変わり始めたので解放してやる。


「ゲホッ……許さんぞクソガキ……今のは完全に殺人未遂だよなぁ?後でいさねるに密告してやっからな」


「ならば俺はお前が諫姉いさねぇの事をいさねると呼称していたと、分家のカス共に吹聴してやるが?」


「本日、俺たちは会って以来まだ会話を一切していない。いいな?」


わざとらしい口調でくだらない会話を切ったおっさんは、モニターから目を離さずゴミ山に手を突っ込むと、お目当の物を掘り出す。


「あいよ。遅くなって悪かったな」


「……頼んでいた物と言うものだから、てっきり酒の事だと思っていたが、そっちの事か…」


おっさんが手渡してきた物は一升瓶ではなく、厳重に包装された一つの箱だった。


「今すぐ飲むわけでもないんだろ?酒に関しては後でりょうに任せとくからよ、欲しい時に取りに来い。しかしまあ…詠の字がそんな無粋なモンを欲しがるとはな」


天介てんかい事件があったんだ。分家のカス共も持っていておかしくないからな」


「敵の多いやつぁ大変だねぇ。ったく、お取り寄せするこっちの身にもなれや。密輸なんて二度とごめんだっつーの」


「よく言う。どうせ村の外で悪どいビジネスをいくつも展開してんだろ?」


「村の外はちとばかし頭を使えば金が金を呼んでくるからな。多少なり黒に近かかろうとも、金にモノ言わせりゃそらぁもう真っ白よ。少しばかり発言を間違えただけでこの世とサヨナラしちまうこの村に比べりゃ、イージーモードも良いことろよ」


おっさんは短くなったタバコを乱雑に灰皿へ押し当て、箱から新たにタバコを取り出し火を点ける。


「その分、金が無かったらハードモードだろうがな」


「なぁに行ってやがらぁ。この村じゃ金が無かったらハードモードどころかデッドエンドだぜ?」


「おっさん、壁に目あり障子に耳あり…という言葉を知っているか?」


「おーおー、そいつぁおそがい恐ろしいねぇ。お口にチャックをしねぇと灰にされちまう」


「言っているそばからチャックがぶっ壊れてるぞ…」


「へっへ、わりぃね。俺ぁ思った事は口にしないと気が済まない性分でね」


その痩せた顔にニヒルな笑みを浮かべたおっさんは、デスクチェアをきしませ僅かにこちらを振り返る。


「…相変わらず気色の悪い服を着ているな」


おっさんが着ているTシャツの前面には、よくわからないアニメキャラがデカデカとプリントされている。少なくとも、妻子持ちのおっさんが着るような物ではない事は確かだ。


「あ?てめっ、ピュアスマイルたその事を気色悪いっったか?この野郎。てめぇみたいな万年仏頂面に全国の女児たちに夢を与え続けるプリピュアの魅力が分かってたまるか。闇の炎に抱かれて死ねクソが」


「闇の炎を使役するような頭の目出度めでたい知り合いでもいるのか?」


「あ?そりゃあお前、いさねるが『舌汚し』で犬神様ギルティファイヤーよ」


「……もしもし、俺だ。諫姉いさねぇたけるのおっさんがだな…」


「ちょ、おまっ…ボケコラカスぅ!!!!マジで電話かけるか普通!?馬鹿じゃねぇのお前!?」


顔を真っ青にしたおっさんが俺からスマホをひったくり、通話終了のアイコンをタップする。


「ふざけんなよてめぇ…絶対ぜってぇ後で拷問されるだろコレ…」


「口は禍の元だ。大体、諫姉はすでに姫女を退位しているから『舌汚し』を執り行うのは諫奈いさなだぞ」


「は?俺たちの大正義さなたそがギルティファイヤーなんかするわけないだろぶっ殺すぞ。その曇りなき笑顔は万人に幸福を齎し、世界を救い、海を割り、大地を打ち砕くぞ」


「最終的に世界滅ぼしてるじゃねぇか…」


「世界ってのは昔っから、人類自分が幸福になるためには人類だれかが不幸にならなきゃいけねぇようにできてんだよ。貧乏籤びんぼうくじの一つや二つ、甘んじて受け入れろってこった」


「なんとも自分本意な持論だな」


「自分本意で結構結構。食うに困って強盗する奴はいるが、餓死寸前の人間に自分の体の肉を差し出す馬鹿はいねぇだろ?つまりはそう言う事なのよ」


人間でも現実でもないが、腹減った奴に自分の顔を差し出す酔狂なら知っているがな。


「まったく…何故あの諫奈の話からこんなにも血生臭い話へと脱線したんだ?」


「確かに姫女様さなたそは大天使だが、血生臭ちなまぐせぇ話と無関係って訳じゃねぇだろ。を生かす為にを死なす…これは倣神野という血筋が背負うカスみてぇな必要悪だ。純粋無垢な姫女様に、そんなカスみてぇな必要悪を背負わせるこの村はどうしようもないカスだ」


「……前々から不思議に思っていたが、何故おっさんはこの双神村に対して悪感情を持っているんだ?禁忌だからとかそういった物を抜きにしても、双神村ここの事を悪く言うような人間はおっさん以外に見た事は無いが?」



俺が疑問を率直にぶつけると、おっさんはいつも以上にタバコを深く吸い、ゆっくりと吐き出す。これはおっさんが考え込んでいる時の癖だ。



「……詠の字。お前さん、年末に犬神様の拝殿で行われる『清心浄魂せいしんじょうこんの儀』は知ってんだろ?」


「知ってはいるが、それがどうした?」


「お前さんは清心浄魂の儀で姫女様に『浄礼』を授かった事はあるか?」


「無い。俺はやらなくても良いと諫姉に言われている。受けた事が無いから詳しい事はさっぱり分からんが、本来は16歳以上の村人は必ず受けなくてはならない儀式なのだろう?」


「そうだ。かく言う俺も受けていた。だが、最近は受けていない」


「……おい、それは本当の事なのか?現時点で例外的に免除されているのは俺と神繋家だけのはずだぞ」


恐らくこの『清心浄魂の儀』は姫女が執り行うべき神事・儀式・祭礼・公務を定めた『律界目録』に記されているだろう。故に、よほどの理由がなければ、必ず行わなくてはならない事になっているはずだ。


「5、6年くれぇ前によ、いさねるにダメモトでこの儀式を免除してくれないか聞いてみたんだわ。もちろん却下されたが、俺が切り札を切ってやったらなんとか免除して貰えたってこった」


「……切り札?」


「難しい話じゃねぇ。『じゃあ今から死にます』っったのさ。俺が血の滲むような努力を礎に築いてきた、この地位を最大限に活かした最高の切り札だと思わねぇか?」


なるほど。今の双神村にとって絹羽岳という男は、存在だからな。


「随分とエゲツない事を考える。性格の悪さだけは随一だな」


「フハハハハハハ!!商人あきないびとに『性格が悪い』は最高の褒め言葉だっつーの」


自嘲するわけでもなく、おっさんは心底嬉しそうな顔をしていた。きっと今の反応からは、絹羽岳という男の本質が垣間見えていたのかもしれない。


「だが、そんな切り札を使ってまで免除して欲しくなるほど、苦痛を伴う儀式なのか?」


「まさか。苦痛どころか最高な気分になるぜ?」


「ますます意味が分からん」


「……詠の字。お前さんは儀式の内容を全く知らねぇのか?」


「さっきからそう言っているだろ」




「『清心浄魂の儀』は原則として姫女様と村民の一対一マンツーマンで行われる。儀式の最中に第三者が拝殿に近寄る事は絶対に許されねぇ。もちろん、姫女様にお付きする護衛もだ。そうした状況下で、罪喰之犬神様の御前で俺たち村民は心に抱える全ての『負の感情』を吐き出す」




負の感情を……吐き出すだと………?




「欲求、不満、私怨、嫉妬、憎悪、鬱憤、殺意、懺悔、憂鬱、果ては自殺願望。『罪喰之犬神様に対する冒涜』以外の、持ち得る悪感情を全て姫女様に独白するんだよ。どんな些細な事でも、どんな非人道的な事でも良い。金が欲しい、女とヤりたい、仕事を辞めたい、あいつがムカつく、あいつをぶっ殺してぇ、村から出たい、嫁子供を殴っちまった、死にてぇ……何を言っても構わない。この儀式に限定して、村の事や姫女様の事をボロカス言っても許される。犬神様の事をボロカス言っちまうのはアウトだがな」


「どういう事だ。なんだその気持ち悪い儀式は」


「まあこの時点で気持ち悪さは大概だが、真髄はそこじゃねぇ。そうした負の感情を全て吐き出すと、嘘みてぇに心がスッキリすんだよ。生きている事が嬉しくて、楽しくて…そらぁもうハッピーハッピーよ。金がねぇとか、嫁が冷てぇとか、仕事がしんどいとか、そんなモンは全て畜生の糞みてぇにどうでもよくなる。次に日にはよ、殺意を抱く程に嫌いだった奴にも気持ち良く挨拶できちまうんだぜ?『最高の気分』だろ?」


「…たかが欲求不満を口にしただけで、それほど変化が現れるものなのか?」


「現れるわけねぇだろ。あれはどう考えても『異常』だ。詠の字は、年始の村人どもが異様にテンションたけぇと感じた事は無いか?」


「諫奈も葵も遙も、年始どころか一年中テンション高いぞ」


「なんてこったい…お前さんの交友関係があまりにも狭すぎて参考にならねぇぞ…」


言うな。悲しくなるだろ。


「…とまあ、そんな感じのよく分からねぇ儀式をやってるわけだ。それを踏まえて話を最初に戻すぞ。なぜ俺が他の村人と違って『村に対する不満』をペラペラと喋っているのかだったな?恐らく俺が『清心浄魂の儀』で村に対する不満を消化できていねぇからだ」


「…それは洗脳とは違うのか?」


「洗脳じゃねぇだろ。村人が好き勝手にあれこれと喋り散らかすだけで、姫女様は黙って聞いているだけだ。変な思想を植え付けられるわけじゃねぇ。ただスッキリするだけだ。村人を姫女様の傀儡くぐつにするような儀式じゃねぇとは思うぜ。気になるんなら詠の字も受けてみりゃいいだろ。なんてったって、今年からは大天使さなたそがそのイノセントスマイルで俺たちの恨み辛みを受け止めてくれるんだぜ?……何それ最高じゃん。やっぱり俺も今年からは受けようかな。清心浄魂の儀」


このおっさん諫奈の事好きすぎるだろ。妻子持ちだと言うのに何故ここまで気持ち悪くなれるのだろうか。不覚にも、初めて石光の事を可哀想だと感じてしまった。


「それにしても、俺の知らない所でそんな事が行われていたとはな…葵や諫奈は受けていないからまだしも、親父や遙からは何も聞いていないぞ」


「あー…それだが、恐らくクロは儀式を受けていなかったはずだ。諫雨いさめ様が統治していた時はどうか知らんが、いさねるがクロに対してそんな儀式を行うとは到底思えん。それに久山の娘も儀式を受けてねぇと思うぜ。あの子が儀式を受けても無駄だ。詠の字以外はまるで眼中に無いような子に、負の感情もクソもねぇだろうからな。ま、早い話が綴火ハーレムの構成員たちが儀式を受けてねぇから、詠の字は知る由もなかったと言う事よ」


なんだ綴火ハーレムて。そんな頭の沸いた団体は存在しないぞ。


「この事については、あまり諫姉に突っ込まない方が吉か?」


「だろうな、オススメはしねぇぞ。俺が免除の交渉に行った時、あのいさねるが珍しく考え込んでいたからな。この儀式はこの村にとって決して小さくはないモンだ。断言できる」


いつもおチャラけているおっさんが、珍しく真剣な表情で俺の目を除き込んでいる。これは彼なりの警告なのだろうか。


「おっさん。あんたの話には一つだけ腑に落ちない事がある」


「……言ってみろ」


「おっさんは諫姉に交渉を飲ませるために『死んでやる』と言った。その結果、諫姉が交渉を飲んだと言った」


「……おうよ」


「諫姉に嘘は何の意味も為さない。虚勢やハッタリが通用するとは思えん。つまりは…?」



おっさんはタバコの灰を灰皿に落とし、再び口元に運ぼうとするも、何故かその手を止める。深く息を吐くと、まだ短くなってもいないのにタバコを灰皿へと押し当てる。



「そんなモンはよぉ…死んだ方がマシなんだよ」



「……なんだと?」



「鬱も、欲求も、不満も、妬みも、嫉みも、憎しみも、恨みも、怒りも、悲しみも、苦しみも、辛みも、罪悪感も、劣等感も、絶望感も………どんな感情だろうと、それらは全て俺のモンなんだよ。根こそぎ持っていかれちまうくらいなら死んじまった方が良いんだよ。幸せを獲得したカカシになるくらいなら、ザラついた砂を噛み締めてでも人間でいたいんだよ俺は。ドM呼ばわりされようがキチガイ呼ばわりされようが、んなモンは俺の知った事じゃねぇんだよ。カカシはカカシらしく一生そこでニコニコしてろバーカって話なんだよこん畜生めが」



おっさんの声は震えている。



あまり感情的にならない人間が感情的になっている証拠だ。



「俺の腐れ縁がどうしようもねぇくらいにだったからな。知らねぇ間に憧れちまってたのかもな。あいつぁスゲぇよ。俺と同じ、この村の要でありながらも、俺とは違って村に突き刺さってるようなカカシじゃなかったんだ。あの諫寧が私情を挟んじまうのも無理はねぇよ」




おっさんは薄暗い天井を見上げ、溜息を吐く。




「あいつぁいつも知らねぇ内に俺よりも高い所にいっちまう。だからってよ、なにも二度と降りてこれねぇほど高く昇っちまう事はねぇだろ。てめぇのせがれがどんだけクソみたいな苦労を強いられてると思ってんだ、大馬鹿野郎がよぉ。なぁ、詠の字…お前さんもクソッタレているとは思わねぇか?」




らしくもない。おっさん、あんた泣いているのか?




「尊敬こそしているが、クソッタレだと思った事など一度もない」




彼は俺に全てを教えてくださったのだ。




「泣ける話だぜ。俺も死んだ時には、涼にそう言ってもらえるだろうかね?」


「こんなクソ忙しい時に、息子に店番を押し付けているようでは夢のまた夢だろうな」


「フハハハハハハ!!ぐうの音も出ねぇくらいに正論だな」



泣いたり笑ったり、忙しい奴だ。





故人を偲びながら無精髭をいじり倒すおっさんは、人間の顔をしていた。



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