第5話 夢と現実とループと
頭の中でサイレンの音が鳴り響いている。目の前の景色は赤黒い。視野が急に高くなる。どうやら持ち上げられて運ばれてるみたいだ。そういう感じだ。口を動かしている人がおる、何を言っているかわからないし顔も見えない。視界が動く。そこにはもう1人横に倒れていた。その後ろの建物はグチャグチャだった。何故だろうか、急に悲しくなった。胸が苦しい。倒れてる人から目が離せない。この場所から離れたくない。触りたい。なんでだ、体が動かない。動いてと思うのに、動かない。徐々に視界が暗くなる。頭の中で声が響く。うごけ、うごけ、うごけ、うごけうごけうごけ…。すると何処からか音が段々と響く。それは次第に大きくなる。この音は確か…、目覚ましのアラームの音…。そう気付いた時、目の前には家の天井が広がっていた。太陽の光が目にしみる。アラームを止めて日にちを見ると、俺は驚愕した。
そこには、8月1日と表示されていた。「どうなっているんだ?」
昨日は確か、彼女を守り、未来を変えたはず。なんで戻ってんだ?どうなっている?頭の中はパニックだ。わけがわからない。そこでLINEが来る。良介からだ。これは、同じだ。本当に戻っている。どうしてだ?わかることは一つだ。あの方法は正解ではないということだ。
とりあえず、良介たち4人とのやりとりは変えず、女の子を連れて行くというとこまで話を進めた。とりあえず、彼女に会わないと、今回の失敗の意味がわからないだろうと思った。それと、違う可能性を試すにも彼女に会わなければ始まらない。ループする前、最後は彼女と一緒だった。だから確信はもてる。自分がループしている理由は彼女が関わっていること。彼女を死なせてはならないこと。次こそは成功させよう。そう決意して8月2日からまたやり直すことにした。
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