第3話 スタート

やっときたこの日。失敗しないよう、慎重にことを運ばなければならない。そう決心していざ挑むのは青く広い海。可愛い女の子の水着。

「お待たせ。」

きた、今日のメインイベント。

振り返るとそこには水着の女の子が5人いた。どの女の子も水着が良く似合っている。目移り半端ない。

「みんな、水着似合ってるね。」

「いやぁ、ありがとう。」

5人並んでいる一番右端が彼女だ。控えめにたっているところが彼女の性格を表している。それでもボディは控えめじゃない。そこがまたいい。

海に行ってやったことは泳いで、海の家で焼きそば食べて、スイカ割りして、ビーチバレーして、良介を埋めて、最高の思い出を作った。だが、それで終わったわけではない。そこにはあいつがいたのだ。

藤川 直樹

女の子が5人となったら、男も5人にしなければならない。これは大学生の遊びのルールだ。人数合わせ、これ大切。

しかし、これが問題だ。なぜなら、彼女が死ぬ前に言った好きな人とは彼のことだ。だからこそ負けてられない。是非ともくっつきたい。それこそやり直すからこその目標だ。

この日は、誰も進展はない。みんなのグループラインを作り、これからの予定を決めただけで終わった。俺自身彼女とはあまり話せなかった。機械を伺って自己紹介ぐらいはできたが仲良くなるまでにはまだ時間がかかりそうだ。これは、前回と変わりない。それ自身ダメなんじゃないかと思われるが、この時はこれが精一杯だった。この後、夏祭りや遊園地、バーベキューなどをした。これも予定通りだ。だが、一つ違うのは、俺が彼女と仲良くなろうとすると、それ以上に藤川が仲良くしようとするところだ。少し積極的に行動したから、藤川も前回より、行動を起こしているのではないかと思った。どちらにしろ計画に狂いはない。そして、俺は彼女とデートをするところまで持っていくことができた。といってもただの買い物だ。これといって特別なことはない。普通だ普通。あっ、でも一つ言うなら俺と彼女が死んだ日になるのかな。


デート当日。

俺は少し寝坊してしまった。不甲斐ない。女の子を待たせるのは男としてダメだからね。みんなは気をつけるように。

待ち合わせの場所には、すでに彼女がいた。

「おそかったね。」

悪戯っぽく言う彼女

「本当ごめんね。お詫びはするから、許してほしい。」

「誘ったのはそっちなんだから、よろしくね。」

「じゃあ、行こうか。」

そう言って、彼女と歩き出した。今日の目的は妹の誕生日プレゼントを買いたいから一緒に選んでもらうことだ。今、この時だけは妹に心から感謝してる。ありがとう。妹であってくれてありがとう。

「妹さんは、どんなものが好きなの?」

そう聞いてくる彼女は俺の顔を覗き込むように顔を近づけてくる。本当に可愛い。

「えぇっと、黒猫とか好きだよ。部屋はモノクロ系で、猫の雑貨とか多いから。」

「なら、猫系がいいね。」

あぁ、この会話を待っていた。このままこの時間が続いたら良いのにと思ってしまう。思わない方がおかしい。

「これとかどう?」

と、提案してきたのは、黒猫が描かれている小さなスタンドライトだ。勉強机とかに置く感じで使えそうだ。

「いいね、これにしよう。俺もほしいくらいだわ。」

「こんな可愛いやつが欲しいんだ。」

と笑顔で受け答えてくれる彼女。

「欲しくない?」

「確かに、可愛いから欲しくなるなぁ。」

「じゃあ、買ってくるから待ってて。」

俺は商品を買い、彼女と店を出てカフェに行った。そこはフレンチトーストメインで様々な種類がある。そこでランチを済ませた俺たちは日が暮れるまで街中を歩いてみていった。ちなみに、ランチ代は遅刻した俺持ちです。

そして、時間もそろそろとなったところで帰ることにした。ここからがメインイベントだ。心して臨むように。



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