第2話 思い通りに

良介とは、喫茶店で待ち合わせた。話したかったことはこれからの夏休みについてだ。「俺、夏休みをやり直してるんだ。」なんて言っても信じてはもらえないからね。だから、自分の思い通りに夏休みを変えることにした。一度は経験しているんだ。不満だったことをなくしていこう。もちろん、彼女についても。

「良介、夏休みの予定を立てようぜ。」

「いきなりどうしたんだ?修作にしては積極的だな。彼女でも作るのか?」

「Yes、といったら?」

「おい、まじかよ。頑張るなぁ。」

俺にとっては良介との行動が意外にも重要だったりする。彼女と出会ったきっかけは、良介と同じゼミの女の子が誘ったから出会うことができた。夏休みの予定したイベント全てに参加していたので、今から立てる予定が重要となるということがお分かり頂けただろうか?

「それで修作、何がしたいんだ?」

「まずは、海と祭りは定番だな。海でのバーベキューと祭りの花火は夏休みに欠かせないだろ?」

「本当は、水着と浴衣目当てなんだろ。」

「なんだよ、悪いかよ。男の浪漫じゃねえか。」

「確かに、否めん。」

「でな、良介あと遊園地に行ったり、飲みとかしたい。」

「なんか、ありきたりだな。」

「予定が無いよりかはましだろ。あと、ここからが重要なんやけど、どうせ海斗と裕也も来るだろうからさ女の子とか誘いたい。」

海斗と裕也、フルネームは内山海斗と田崎裕也。俺と良介共通の友人であり、違う学部ではあるがよくつるむ仲だ。

「あてはあるのか?」

「ゼミの女の子とか学部の女の子とか誘えば大丈夫じゃない?」

「そんな、ほいほい来るかね?」

「とにかく、必ず1人は誘って出来れば人数を合わせるように頑張ろうぜ。」

「まあ、考えとくよ。」

「じゃあ、海斗と裕也には連絡しとくから、宜しくな。」

「了解しました。」

良介は、ちょっと嫌そうに言ったが結局は女の子を連れてきてくれるんだ。本当に感謝してます。だから今回も頑張ってください。良介とは、このあと買い物に行って夕方には解散した。

大学の夏休みは長く、うちの大学の夏休みは8月1日から9月18日まである。その間、サークルやバイト、県外から来た人は実家にかえったりしながらも各々自由に行動できる。だが、出来る大学生は異性と遊ぶのだ。高校の夏休みとは違う。みんな、お金があるのだ。足があるのだ。考えが大人なのだ。これ見逃しに異性と仲良くなろうという機会は少ない。下手すれば大きな思い出となる。だからこそ今回の出来事は奇跡であり、神様からの贈り物だといえる。ありがとう神様、必ず成功させてみせます。そう意気込んでいざ、女の子探しへと旅立つ俺だった。


(修作)・状況は?

(裕也)・全然だ。

(海斗)・1人誘えた

そういう修作はどうなん?

(修作)・返事待ちです

(良介)・俺は2人

(海斗)・流石良介

(裕也)・良介様、ついていきます

(修作)・すごいな。イケメン恐るべし


違うメッセージがきた。


(香奈)・参加します(笑)

(修作)・本当に?ありがとう。


すぐさま報告する。


(修作)・1人誘えた

(海斗)・おぉ!

(裕也)・すまない、誘えそうにない

(良介)・まあ、人数的に合ってるから大丈夫だろ

(修作)・じゃあ、日曜日に集合で

みんな、宜しく

良い夏休みを(笑)


こうして、夏休みは着実に進んで行った。今のところは順調だ。あとは日曜日を待つだけだ。そこで俺は彼女と初めて出会った。

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