第4話ダメ男

謎の男(名前は沢見啓さわみけい)に拾われてからはや二週間………



ここは沢見の家。


この家は、朝からドタバタと騒がしい。


「沢見さん!どういうことですかっ!これっつ!」

今私が手に持っているのは預金通帳。その残高はーーー


ゼロ。


「沢見さん!いったいこれ、何に使ったんですかっつ!」

私の叫び声に、沢見はテレビから振り向く。

「あといくらぐらい貯金あるの?」

「いくらって……えっと……百万ぐらい……」

「まだまだ全然あるじゃん」

沢見の気楽な声に、私はプツリときれる。


「何がまだまだあるだよ!沢見さんも私も稼ぎが全くない上に、あんたは一日二万も金使いやがって!少しは節約しろ!」

「あー……それなら大丈夫」

え?大丈夫なの?

まさかこの人はすごい優秀な名探偵で、報酬金額がたっぷりあるとか……!?

しかし、私の淡い期待はすぐにぶち壊される。

「お金がないならね……君が働けばいいんだよ」

ち・が・う・だ・ろ!!


「沢見さんは、事件を解いた時の報酬とかどうしてるんですか」

「僕はまだ一回も事件とかといたことないよ」


「じゃあ今まで人探しとかやってたんですか?」

「そういうのはないねまだ仕事はきたことないよ」


色々な事を聞いたが、はっきり言えることは一つ。


こいつはクズだ…………!!!


ああ、新しい会社でも探して一人暮らししようかな


と、まじめに思った。


まあ家は売っちゃったから一人暮らしとかできないけど………(泣)

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