第2話:帰宅後

四半世紀ぶりの大分行で見えたこと、感じたこと。


母は、終戦年末に生まれた大分県で田舎の出身者。

亡き父は、大阪下町で母よりも二月早く生まれた。


下請け加工製品工場営業マンとして敏腕だった父。

旧そごう百貨店でデパガだった母を口説いた結果


活字オタクの自分とヘビーネットゲーマーの妹は

大阪内で何度も引越し転校するも生粋大阪人気質。


卒なく親戚付きあいする妹と仕事、交友関係以外

ほとんど接点を持たず狭い世界だけを楽しむ自分。


バブル末期、死の淵から奇跡の生還を遂げた自分。


後遺症と父の死と失業による転職と日本国内全体

衰退期を落ち目関西で過ごし、勝手気ままな現在。


エリート一族でも金持ちでもなく成功者になれず

やりたいこと、好きで楽しいこと、検索すること


伝えたい何かを文章の形で表現する創作的活動を

本業の傍ら広大なネット世界の片隅で行っている。


もちろん霞を食べて生きていく仙人のはずもなく

日々、生きるために最低限度収入を得られる職、

介護福祉士として最低拘束で楽しめる実務を行う

基本ろくでなし系統の駄目人間と自覚はしている。


面倒臭い関係者は仕事以外には付きあいたくない


九州人の熱さと性格を理解するシニカルな大阪人。

個人主義を貫くため、上には逆らい下には優しく


言葉が通じない人間とは好んで付きあいたくない

きっと駄目な人間だと認識しながらヘラヘラ笑う

基本的な意味で、良きにつけ悪しきにつけ関西人。


頭の固い古の価値観、固定観念など笑い飛ばして

それでも流されて動き群れる行動の人間が大嫌い

最後まで一匹狼を貫き通し綺麗に消えるのが理想。


今回、そんな自分を再認識した九州大分行だった。


四半世紀ぶりだったが親世代の大半がいなくなり

自分と従姉兄世代が世の中を動かす時代に変化し

続く子供世代は関西も九州も全員がやはりオタク。


たぶん自分は第二世代オタクで最後期の生き残り

これから若い世代が総オタク化するならば中間層。


上でもない下でもない価値観と共通語を理解する

双方を理解できるために、どちらにも偏向しない。


すべてにおいて中途半端また適当範囲に自分勝手

どこにも混じらず染まらず支配もしたくない世代。


全てが異質で理想とか現実とか絆に憧れて与せず

平均と一般大衆と世間から顔を背け逆らい切れず


世界の片隅から見守り続けて有事の際にだけ動く

良い意味でも悪い意味でも変人である最後の世代。


そんな事実だけ、改めて再認識した帰宅後の自室。

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大分弾丸行(伯母三回忌法要) 神無月ナナメ @ucchii107

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