第6章
第96話
えー皆さんこんにちは。ハルオミです。
「さあ、これはどういうことか説明してもらおうか」
「ん?」
「ん?・・・じゃねえよ!」
「そうよ!!」
ゆっくりとしてる俺の前には仁王立ちしているヘファスとハク。
まったく・・・俺がいったい何をやったっていうんだ。
「俺が何をやったっていうんだ」
「「いろいろやってるからな!!!」」
おお、息ぴったり。
・・・まあ、俺も誤魔化してる自覚あるからしょうがないんだが。
「で?何から聞きたいんだ??」
諦めた俺はハクとヘファスの方を向いて答える。
二人はお互いに顔を向け、アイコンタクトしていた。
そして、まず、口を開いたのはハクだった。
「では、まずは私からだ」
「おう」
「シルの件だといえばわかるな」
・・・早速それか。
「まずはなぜあんなに成長しているか答えてもらおうか」
「あーやっぱりそこからだよな」
「当たり前じゃ。私でも魔力を喰うなどできん。それなのにいつの間にか娘が魔力喰らいになっとるんだぞ!しかもめちゃくちゃませてるし誰かさんに毒されておるし!」
おいこら誰かさんと言ってこっちを見るんじゃない。
…あー。
「色々面倒だから簡潔に言うな?」
「うむ」
「…俺が定期的に魔力食わせちゃってたらこうなった」
「「…はあ?!」」
うわぁーやっぱりこの反応。
「じゃあ、やっぱり一から話すから長いけれど聞いてくれよ?」
そして、俺はそのことについて話し始めた。
ことの発端はこっそりとシルと一緒に街に出かけていたある日のことだった。
え?大概何かしら大事になるからこっそりではない?
・・・まあ、それは置いておいてだな。
その日も結構街には露店がやっていてそれをいろいろと見て回ると楽しい時期がありましてな。
で、よくシルの社会勉強になると思って連れてったわけですよ。
それで露店の近くに串焼きとかアップルパイとか売ってる場所があってさ。
「ぱぱー?あのお店のお肉おいしそう!!」
キラキラした目で言うからさ。いつもなら、
「よし、おっちゃん!!うちの
と言っていたんだが・・・
「・・・うーん、俺も買ってあげたいところなんだが・・・ハクがなあ・・・」
「あう・・・」
しょんぼりとする
そう、そのころあまりにもこのような買い食いがばれて、二人一緒にハクに怒られたばっかりだったのだ。
え、あ。結局あの後も懲りずに他のことして怒っているがって?・・・まあ、それは今は置いておいて・・・
話を戻すぞ。
で、困った俺は街にいると確実に買っちゃう気がしてな。だから、少し路地に入って、
「転移」
大きな広い草原に来たのだっうわ!!
急に大きい声出すなよ。
なんでだよ?!って・・・そりゃあ、何もないところで
草原ってどこの草原だ!?って?
うーん確か・・・クリュー草原?
あ、確かそんな名前だわ。
でもって、遊べば、
きゅるるるるる~~~!!!
そんな期待を裏切るように
・・・確かにこの前少し成長したシルの目の前で言ったら「今度その呼び方で言ったらハルオミさんと口きかない!!」っていわれたもんな・・・
分かった、では今回はシルで。
で、シルはやっぱりさっきの串焼きの臭いでお腹がすいてしまったみたいだった。
「・・・やっぱり一本ぐらい買うか?」
「・・・うう、でも、またぱぱ怒られるんじゃないの?」
そうなんだよなあ、と思ったがこんなに気持ちのいいほどの音ならされると少しくらい許してくれないかと思ったそのときだった。
「そういえばシル。」
「なあにぱぱー?」
首をこてんとするシルがめちゃくちゃかわいい・・・とかそのとき思ったのは当たり前だから割愛させてもらおう。
俺が何を思いついたかというと。
「シルって火って食べるのか?」
と。そろそろハクは気づいたみたいだな。
でな?その質問にシルはなんて言ったかって言うと、
「多分食べれるよ~自分の炎とかブレス飲み込むと少しお腹の中満たされる感じする!!」
「なるほどな。じゃあこれもどうだ?」
ボッ!
俺の指先には魔法で作った炎が。
「わあ!!綺麗!!」
「よし、シル」
「なあに?」
「これ食べてみるか」
「ほえ?」
「いやさ、自分の炎が食べれるなら魔法で作った炎も食べれるんじゃないかって思ってさ」
「なるほどー?」
「まあ、無理そうならすぐやけども治せるし試してみないか?これならばれれも魔法の練習していましたで、ごまかせるしな」
「んーじゃあ、食べてみる」
「おう。ほら、あーん」
「あーん!」
そして、俺の魔法で作った炎をパクリ。
その反応はというと
「~~~~~~!!!!!!!!!!!」
「し、シル?!大丈夫か!!?」
食べた瞬間シルは何かに悶えるように体を震わせた。
だから、俺はやっぱり他の奴の魔法は食べれなくて、やけどしたのかと思ったのだが、
「・・・おいしい・・・」
「おお?」
ジュルリ。
顔を上げたシルは、下をなめずり、子どもとは思えない色っぽい声でこちらをみてこう言ったのだ。
そして、次の瞬間思いっきりこっちに迫ってきて、
「ぱぱ!!」
「お、おう?」
「ぱぱの炎おいしすぎ!!」
「そ、それならよかった」
「これ、毎日食べれるなら、買い食い我慢できるよ!!!」
「そ、そうか」
「だから、これ毎日頂戴!!」
「こ、この程度ならいくらでも」
「やったああああああああ」
めちゃくちゃ飛び跳ねるシルを見てこのころの俺はただ単純に。
「かわいいなあ、うちの天使」
としか思わなかったわけだ。
そして、定期的にシルは俺の魔力入りの魔法を食べるようになったのさ。
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