第78話
side ハク
「本当に厄介だよな、それ!」
「そうしてんだよ!!」
降り注ぐ雷撃。
もし、ダンジョンの中であれを撃たれたら私でも回避は難しい。
ヘファスはゴウガがこちらに来ようとするのを雷撃で止めていく。
「ヘファス!お前さんは後ろに回れ!援護を頼む!」
「ハク様!俺のことはいいからタウのところに行ってくれ!あと、ハルオミ起こしてこの状況どうにかさせろ!ハルオミはミアとセリスの方の入り口の奥の部屋にいる!!緑の髪した奴がいたらそいつがレイナだ!!止めろ!!」
そう、これはその女に旦那様を洗脳されたら終わりじゃ。
いつもなら自分でどうにかするじゃろうが、今回は疲労が完全にたまって寝てしまっている。なら、旦那様には悪いが早く起こして好き勝手にはさせん!
起きたら反撃開始じゃ!!
「承知した!!」
「おお。そこなのか!じゃあ、早く片付けてそこに行こう」
「お前は行かせねえよ!」
「うお?!」
そう言って雷神の大槌を振るうヘファス。
「わかった!そっちは任せる!!」
私はタウの方に走っていく。
「させるかよ!『城崩しの」
く、またあの技か!
私は少し当たってでもタウの方に向かうつもりだったが、それは発動しなかった。
なぜなら、
「させませんよ」
「うおっと!」
ゴウガの首筋に一閃の刃。よけきれなかったのか、首からは血が垂れる。
「・・・ち。てめえもいたんだよな、剣聖のじじい・・・」
「あなたにじじいと言われるなんて心外だ」
剣を振り下ろすジークがゴウガの動きを止めたのだ。
「ジーク、ナイスだ!」
「全く貴様は本当にいろいろなところに迷惑をかけるのだな、小童」
「なら止めてみろ!くそじじいが!!」
「言われなくともそのつもりだ。私の大切な
ジークはかろうじて見ることができるような速さでゴウガの剣を捌いていく。
全くと言ってジークの剣は私に刀身をはっきりとは見せることがない。
これが剣聖と言われた武人の力か。
しかも、剣の効果を使わせないように、後ろからはヘファスの雷が落ちてくる。
この二人とはこのような状況でなければ、一戦交えてみたいのお。
「ハク様いってください!」
「了解じゃ!」
これなら任せられる!
正直一発は殴りたいがの!!!
そう思ったが、すぐにタウのそばに向かった私だった。
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