第77話

side ハク

「うるさいわ!があああああああああああああ!!!!!」

「うおっとおおお?!」

 ここでブレスと言っても、

「あぶねえな!!」

 やはり効いておらんよな!

「今のブレス!!ただの竜人じゃねえな!本当に面白いな!!」

「貴様たちに旦那様は渡さん!」

「どこにいるか知らないが時間の問題だ!!」

「ぐ・・・」

 こいつ、また力が強く・・・

 こうなったら、ヘファスには悪いが元の姿になるか・・・!

「そろそろ終わらせるぜ」

 ゴウガが一旦後ろに下がる。何をする気だ・・・?

「おりゃああ!」

 バリバリ!!!!!

 押し上げた剣が天井を破る。

「へ、あ!あああ!俺の部屋が!!!」

 ヘファスがそのおかげでやっと何が起きているか分かったようじゃ。

 しかし、この国の奴らは急な状況に弱いのお!

 そのことをゆっくりと考えさせてもらえないがの!

「振り下ろせ」

「・・・!ゴウガ!お前こんなとこでそのスキル使うな!」

 なんじゃ、何が来るのじゃ。

 そしてこちらに剣を向けたゴウガが放ったのは、


「『城崩しの大剣を』」


 巨大な大剣だった。

「なあああ?!」

 その大剣は今まで見たこともない大きさであった。

 全長はこの家の高さほどの大きさじゃないか!

 なんじゃ!あれは、どこから出てきた?いや、出てきたんじゃない・・・

 あいつが持っていた大剣が大きくなったのじゃな!

 やはりあの大剣は魔剣か!

「さあ、どう受け止める!」

 く!このまま撃ち落されたら、下の連中も大変なことに!ならば!

「部分龍化!両手!!させるかあああ!!!」

 私は腕だけを元に戻し、落ちてきた大剣を受け止める。

「フハハハハハ!これを止めるか!」

「ぐうううう!!!!」

「ハク殿!!」

 セリスが私に心配そうに声をかける。

 大丈夫じゃ・・・とは言えん状態じゃな・・・さてどうする。

 だが、そこに助けが飛んでいった。


「ゴウガてめえええええええええ!何やってやがる!!!」


「うおっと!そいつはやべえな」

「『雷神の鉄槌を!』」

 ほとばしる雷。それを打ち出したのは金色の大槌であった。

「おお、おお。相変わらず怖えな。魔槌だよなそれ。『雷神の大槌』だっけか?」

「てめえ、今の行為何したかわかってんだろうな・・・」

「ん?しょうがねえじゃねえか、そこの竜人がなかなかしぶといからな!」

「ああ?!この下には俺の弟子たちがまだいるんだよ!」

「それで死んだらそこまでだ!」

「ふざけるなあ!」

 私の前に出たのは、雷をまとった大槌をかまえるヘファスじゃった。

 確かに私のところに来た時もそれなりの武装をしていたが、あまり強くない印象だったのだが、その戦いぶりは見事だ。

 スピードこそないが、その動きを補うように少しでも、ヘファスに近づけば、雷が落ちてくる。

 これではさすがのゴウガでも、なかなか手が出せない。

 ・・・正直ただのツッコミ要因だと思っていたことをあとで謝っておこうかの・・・

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