第43話
「護衛って・・・そんなに弱っているのか?そんな感じに見えないんだが」
「ふむ、まずこの話をするためには改めて自己紹介が必要そうじゃな。わしはジーク・フリード現在剣聖をやっているものじゃ。では、セリス、次はお前じゃ」
「はい、私はセリア・フリード!剣聖候補であります!」
「剣聖候補?」
元気よく敬礼したセリアははっきりとそう言った。
「実はな、わしももうこの歳。おいぼれなのです。ゆえに剣聖の後継者を育成しているのです」
「剣聖って育てられる職業なのか?」
職業って鍛え方とか考えればなれるものなのか?それなら世の中には剣聖って職業が溢れるはずだろ。
「ふむ、やはりカンもいいようですな。細かいことを言わなければ、育ててなれるものです」
ほお、面白いな。でも、それでも同じだよな。
「ですが、そのような職業には条件があるのです」
「条件?」
「他にもある条件を満たせばなれる職業もあります。例えば、そこにいるヘファス殿の聖魔剣職人もその一つですね」
なるほどな。それなら合点がいくな。
「で、その条件って?」
「そこが今回の依頼の件につながるのです」
「・・・詳しく聞こうか」
面白くなりそうだ。
「・・・また、ハルオミ様の悪い癖が・・・」
そこうるさいぞ?
「では、話させていただきます」
「いいよ、さっきセリアに話しかけたくらいにしてくれ。堅苦しいのは嫌いだ」
「・・・面白い人ですな」
「まあ、あんたほどじゃないさ」
「御冗談を」
いやいや、だってねえ・・・さっきから威圧かけてくるから、後ろの3人がやばいんだって。この三人から殺気をうけて倒れないんだし。
「で、本題よろしく」
「ふふ、そうですな。ほれ、セリス。呆けている場合じゃないのです」
「お、お師匠様・・・はいいいいぃ・・・」
おい、ポニテっ娘に殺気当てないでやれよ。
「で、本題は」
「おい、お師匠さん助けてやれよ」
「ふふ、これも試練の一つです」
「スパルタだな」
「ふふ・・・このくらい耐えられず、剣聖にはなれませぬ」
「もしかして、それが条件なのか?」
「ふふ、ちょっと違いますよ。剣聖になるためには儀式を行うのです」
「儀式か」
「はい、この儀式は3日間かけて行うのです。その間はわしは無防備になってしまうのです」
「ふむ」
「1日目はわしが精神を統一を一日かけて行う。2日目に継承をするために第一詠唱する。で最後は引き継ぎを行う」
その時にジーク本人はもちろん継承後は体が全く動かなくなるらしい。
「つまり、その間護衛をしてもらいたいってことか」
「その通りです。大変申し訳ないのですが・・・見ず知らずのあなた方を巻き込んでしまうことになって「いいぜ」・・・はい?」
「だから受けてやるって言ってんだよ」
「そ、そんな簡単に・・・!何も聞かないのですか?」
「何が?」
お?殺気がなくなったぞ??
「わざわざ何も知らないあなた方にこんなことを剣聖が頼みにきていることが不思議じゃないのですか?」
「そりゃあ、気になるさ。でも、大方そっちのポニテっ娘の継承をよく思っていない奴らがいるんだろ?」
「・・・!」
お、当たりか。
「大方エドモントたちのことだろ」
「エドモント?」
「へ、ヘファス殿・・・」
「ああ、剣聖の門下生のNo.2エドモント・ゲイツ。腕はいいほうだがあまりいい噂を聞かないな。特に最近は剣聖になる権利をなくしてそれが顕著に出ているらしい。この前なんか俺の工房に俺に聖剣を作れって言ってきやがった」
「へえ・・・」
そう明らかに嫌そうな記憶を思い出したという顔をしてヘファスがそんな感じで説明をしてくれた。というか、
「ヘファスまだいたのな」
「いたわ!!!!!!ただ怖すぎてセリスと同じになってたんだよ!!!!!ホントお前ら怖いわ!!!!!」
なんか最近ヘファスがただのツッコミ役になっている気がする。
「それはハルオミ様が自由すぎだからですよ」
そうなのか?
「・・・あの・・・」
「あ、すまん」
お客さんのこと忘れてたわ。
「ま、安心してくれ」
「はい?」
「その依頼受けてやるよ」
だからなんでもかかってきやがれ。
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