第42話
「ほほう!ここがハルオミ殿のお屋敷ですか!」
「セリス、人様の家をじろじろと見てはいけませんよ」
「はい!お師匠様!!」
俺の目の前には、ダンディな初老の爺さんと物珍しいようにあたりをキョロキョロとしている金髪ポニーテールの女の子が立っている。
「今のところ5人で暮らしている。で、何しに来たんだ、剣聖様?」
「様付けなどやめてくだされ。このおいぼれにそのようなたいそうな呼び方をせず、ジークと呼んでくだされ」
「じゃあ、改めてジークさん。あんたはそこの明らかに弟子っぽいやつと何をしに来たんだ?」
俺は確かに剣聖に会いたいと思っていたが、まさかあっちから来てくれると思っていなかった。まあタイミングは何とも言えなかったが。おそらくこの場所を教えたのはユリアだと思う。今回は特に変なことも言っていなかったから今度会ったら褒めてやろう。でも・・・わざわざ来るってことは何か厄介事なのは明らかだしなあ。しかし、この人たち全くスキがねえよ。ジークさんはともかくとして黒髪ポニテも。
「まあまあ、ゆっくりとお話もしたいので。しかし、ここはすごいですね、掃除も行き届いているようですし。浴場もあるとは・・・」
「なるべくのんびりしたいですから。仲間も増えましたしね」
「さすが、『ミスターびっくり箱』だな」
「・・・なんですか、それ」
え?それ俺のこと??
「え?知らないのか?お前さんかなり有名人だぞ」
「え、なんで」
「・・・お前さん、本気で言っているのか?」
え、だって別にギルドで一人おもいっきりぶっ飛ばしてギルド長を軽く泣かせただけだぞ。そのあと、散々ユリアをこき使っているだけだぜ?
「それだけで十分やばいんだがな」
おっと声に出てしまったか。お、もう客室だ。
「ここで話を聞きましょうか」
「・・・では話させてもらおうか。話の内容は・・・お主に依頼したいことがある」
「・・・内容は」
「数日間わし達の護衛をしてくれんか」
・・・やっぱり厄介事っぽいな。
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