第37話

 side ハク

「フハハハハハ!!!」

 久しぶりじゃ!こんなに人の姿だとしても戦っていて楽しいものは!!

 このスピードについていける奴は久々じゃ!!やはりただの人間ではないのお!!

 しかも、常に何個の魔法を展開しようとしているではないか!さっきの魔剣だらけの空間魔法もはじくのに一苦労じゃった。

「ほらほら!!!これならどうじゃ!!!」

「よ!は!と!!!」

「どんな動きじゃ!!!」

「いいじゃないですか!!!アースランス!!!!」

「なんの!!!龍の鉤爪!!!!」


 吹き荒れる衝撃波。というか残像を出すんじゃない!!!なんで私の目で追いつけないスピードで動くんじゃ!!!どうなってるんじゃお主のステータス!


「って考えている間に何作ってるのだ!!」

「複合魔法メテオストライク」


 ぬおおおおお!!!!炎と土?岩か!!でかすぎじゃ!!!!!このまま落としたら火の海じゃぞ?!


「部分龍化!潰れろ!じゃ!!」

 そのサイズを相手するには部分龍化で元のサイズに戻って押しつぶす!!!


 メキメキ!!!!バリン!!!!


「ふははどう・・・「バインド」だ?」

 おおう?ここにきてバインド?一瞬で破れ?

 パリン。

 私が少しハルオミから目を離すと、ハルオミは空間から即座に水筒を出し、

 ゴクゴクゴク。

 飲み干した。


「血力変換」

 ゴウ!!!!!

 さらに速くなっておる!どうなっているのじゃ?まさかあれはステータス強化の秘薬か!

 ぬおお・・・さばききれな・・・・


「部分りゅ」

「させん!!!」

 ザシュ!!!

「パパー!!!!」

 私は私と同じように巨大な龍の腕になった右腕を切り落とした。そんな無防備に巨大化などしおって・・・シルにはあまりよくないだろうが、これも実践ではあり得ること。まあ、すぐにアストレアに治してもらえば問題ないだろ、しかし、近接攻撃、魔法に魔剣、秘薬・・・いったい何なのじゃ、こいつは。あとで問いただしてみようかのお。さて、あとは一発殴って吹き飛ばし、


「油断したな」


 ・・・は?


 腕を切られても平然とハルオミはこちらを見据えていたなぜじゃ?腕を切られたら普通痛みで普通は立てないじゃ、


 トン。

「ゼロ距離バインド」

「ぬお???!」

 私の体には無数のバインド。先ほどよりも魔力を練っているようで強度も高く、私の魔力も縛りつけていた。これは魔力操作か?これではなかなかはがせない!体勢を立て直し・・・


「爆竜拳」


 ばああああああああああああん!!!!!!!!!!


 私が考えるよりも先に炎を纏し、巨大な龍の腕を電光石火で打ち込まれる。普通ならまだ反応できよう。しかし、反応できなかったのは私には初見だったからだ。なぜなら、


「なぜ切られた右腕で殴られた・・・?」


 ただの人間の腕が再生するとは思わんだろう?


 ああ、でも・・・

 これなら私たちのことも任せられるな。

 そして、私は意識を手放した。

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