第38話

 side ハルオミ

「ふう・・・」

 危なかった・・・なんでクラッシュも使えないのになんで魔法を破ることできるんだよ・・・しかも腕切られるとか・・・やっぱりネームドモンスターだなあ・・・

「むう・・・ぬかったわ・・・」

「お、もう起きたのか」

「当たり前じゃ!殺す気もない拳など痛くもないわ」

「気絶してたけどね」

「う!」

 お、悔しそうな顔してんな。

「おまえさんら本当に何者なんだよ・・・」

「お!ヘファス!!」

「特にハルオミ!!腕くっつくとか!どういうことだ、もう驚いても固まってたまるか」

「そうじゃな、教えてもらわないとじゃな」

 あーさすがにまずったなあ。楽しくなりすぎてやっちまった。魔剣作るのが楽しくて作った魔剣も大盤振る舞いしちゃったし。まあ、吹っ飛んだ奴は全部回収したけど。アトリビュート以外はまだ能力使ってない。もっと面白いこともできるんだけどな。

 でもきりないしこの前の約束も果たさないとな。

「いいぜ、話してやるよ・・・ただ」

「「ただ?」」


「風呂入らさせてくれ」

 さすがに血まみれのまんま話したくはないしな。



「ふう・・・やっぱり風呂はいいな」

 家の一角にユリアに頼んで風呂を作ってもらった。この世界にも風呂はあるようですぐに作ってもらった。この木材に関してはヒノキに近いもので大きなものにしてもらったのでのんびりとできる。・・・もちろん最初アストレアが全力で風呂にはいってきたから全力で阻止したけどな。ん?今は??大体タウが捕まえてくれて監視してくれている。・・・まあ、そのタウもお背中流しますとかいって一回入ってきたけどな。ん・・・そんなこと考えてたら、


「ぱぱー!」

「入るぞ、旦那様」


 二人(?)の龍が入ってきた。

「どうしたんだ、二人とも」

「パパのお背中流しに来たの!」

 ほほう、なるほど。定番の家族ものではよくあるな。しかも二人とも水着だし。・・・だがな、


「なんで白い水着なんだよ、二人とも!」

 そう、まだ水着はいいのだ。問題が色。普通の色の水着ならともかく白だから色々と透けている!

「大丈夫なのかこれ!」

「ふふ、旦那様、いいツッコミじゃ。しかしな、やはり私たちは銀色の龍鱗を持つからには白っぽいほうがいいと思うのじゃ」

「どんな理屈だそれ!」

「あと、この水着は鱗からできているということも原因じゃ」

 どっちにしろ元凶お前か、ハク!!くそ、今までなるべく生生しい描写は控えていたのにこれじゃあ、どうにもならないじゃねえか!!!つか、ハクも白ビキニとか!しかもなんか薄くね!!??

「パパ?」

 く!そんな無垢な目で見ないでくれシル!!あと、近くに来ると、今までは湯下さんでどうにかなっていたものが見えてきちゃうから!やめて!場所が場所なら俺通報されちゃうから!

「ちくしょう!というかタウがお前の怪しい動きぐらいわかるはずだろ!どこいんの今?!」

「ふふ、タウは真面目だのお。ヘファスがシルのことを舐めまわすように見ていると適当なことを言ったら、その場でヘファスを正座させておったわ。たぶん1時間くらいかかるかのお」

「何てことしてんだ!」

 ヘファス、無事を祈っている!ってか俺もピンチだったよ!

「ふふ、親子のスキンシップをとろうではないか・・・」

「させませんよー!」

 迫りくるピンチにさらに追い打ちをかけるように次の災害がやってきた。

「ぬ!アストレアどうやってここに?!」

「ふっふー!抜け駆けしようなんて甘いですよ、ハクさん」

 どうやってこっそりと抜け出してきたかわからないが、風呂場の扉を思いっきり開けてきたのはアストレアだった。アストレアももちろん水着だ。ホルターネックタイプに下はパレオを巻き付けている。言わなくてもいいかもしれないがもちろん白だ・・・

「ふ・・・それにしては攻める格好ではないのお、アストレア」

 いや、十分刺激が強いからね?

「だから、甘いのです!ハルオミ様はこの着こなしの水着が大好きなんですよ!」

「なんじゃと!!!」

 おい、なんで知ってんだよ。

「そ、それは・・・ベットの下ってベタですね、ハルオミ様?」

 ・・・俺のプライバシーどこいった。

「「それはと・も・か・く♪」」

「げ」

 やばいツッコミの方に気を取られて接近に気付いてなかった。

「待て待て!」

「さあ」

「おとなしく」

「「私たちとのスキンシップをー!!!」」


 ゴチン!!!!!!!!!!


「「へきゅ????!!!!!」」

 ・・・へきゅ?

 俺がもうテレポートでも使おうとした矢先にその音は聞こえた。その先にいたのは、


「どういうことか説明してもらえますか、ハク様?アストレア様?」

「「タ、タウ」ちゃん」

 救世主タウの登場だった。

「お二方?私がいない間に何をしようとしているのですか・・・?」

「い、いやそのね・・・」

「こ、これはな・・・旦那様とのスキンシップをじゃな・・・?」

「・・・言い訳は後で聞きます」

「「ひいいいいいいいいい」」


 そのあとは怒れるタウが危険人物二人を連れて風呂場を出ていった・・・


「・・・シル?」

「何ー?パパ??」

「パパな?シルには純粋無垢に育ってほしいんだ」

「うん!!」

「だからな・・・お風呂出た後に肩もみとかしてもらうから、お風呂はこれからママか他の女の人と入ってな?」

「うーん・・・分かった!!!」


 いい子だ・・・

 そして、今回だけは水着を黒に変えさせて親子二人でもう一度風呂に入りなおしました。

 ・・・ちなみに今後シルの風呂覗く奴いたら容赦はしません。




「俺はいつまで正座していればいいんだ?」

 そして、ヘファスが解放されたのは夜になってからだった。

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