第36話
side へファス
「やっと落ち着いたから話聞きに来たら…これはどういう事だ?」
やっと心の整理がついたから噂の家に来てみたが、家の前ではハルオミとハク様が向き合っている。その場で立っているとアストレアさんがこちらの方に来た。
「お久しぶりです、へファスさん。今ですね、なにをしましょうかという話になりましてね、ハク様が一度手合わせしておきたいとのことで。やはりどれだけの実力があるか肌で感じておきたいらしいですよ」
「なるほどなあ」
しっかし、ハルオミのやつ大丈夫かねえ。人化しているからといってハク様はあのステータスのお方だし・・・
「せっかくなので見てってください。そのあとで用件を」
「おう、そうだな」
「では、あちらのウッドデッキの方にいきましょう」
アストレアさんに案内されてウッドデッキに行くと、タウの膝の上にシルのお嬢さんが乗っていた。
「あー!へファスのおじじー!」
シルのお嬢さんはなんやかんやで俺のこともしっかりと認識してくれている。こう孫のような反応をしてもらえると嬉しくなってしまう。
「おじじ!私の横来て!!パパとママおてて合わせみよー」
「はい、シルお嬢さん」
最初はドラゴンってビビってしまったが・・・こう見るといい子だなと思う。ドラゴンも俺らと共存できるのではないかと思う。
「では、防御魔法はりますね」
「防御魔法?」
「はい、多分あの方たちが手合わせするとなると何もしないとここらへんが全てまっさらな平地に」
「わかった、もう言わなくてもわかった」
・・・やはりおっかないものはおっかない。シルお嬢さんもいずれはそうなってしまうのか・・・この無垢な笑顔を忘れないでほしい。
「では、始めますよー準備はいいですか」
「おう!」
「もちろんじゃ」
さて、そろそろ始まるようだ。せっかくだ、色々と話を聞く前に覚悟を決めるのにぴったりだ。
「では!はじめ!!!」
ガキン!!!!!!!!!!!!!!!
「・・・は?」
一瞬何が起きたかわからなかった。アストレアさんが開始の合図を出したと同時にハク様の姿が消えたと思ったらいつの間にかハルオミの前に来て拳を打ち込んだと思ったらハルオミが龍化した腕で相殺していた。その拳のぶつかり合いは周りに嵐を生み出していった。
「まてまて!!なんだこれ!!!どこの激戦区?!なんで一対一の戦闘で嵐吹き荒れてるの?」
「ちなみに補足すると、衝撃波の原因はお互いに魔法を打とうとしているのを防いでいるので起きています」
「いらないです!そんな状況!!」
とか言っている間に二人が距離をとっていた。
「ふふ、さすがだのお!!!」
「本当に勘弁してほしいですよ!!!なんで付加魔法つけて龍化つけて打ち合っているんだよ!」
「気合いじゃよ!ほいや!!!」
「うおっと!!!」
ガリガリガリ!!!!!!
おいおい・・・本当に勘弁してくれよ。
「パパママすごーい」
「シルお嬢さんこの暴風の中そんなことを言うんですね」
「あ、今空間魔法で魔剣出てきました」
「さらっと俺が見てないところで俺のアイデンティティを奪う技見せないでほしいんですけど???!!!!!!」
もうやだ!この人たち!!!
「・・・幼児退行してませんか?」
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