第23話
「ご無事ですか!ハルオミ様!」
「申し訳ありません!主様!」
「ん、大丈夫」
寝巻きのまま出てきたアストレアとタウが慌てて出てきた。多分ガラスが割れた音で起きたんだろう。
「すみません、いつも通り空間魔法で防音していたので何事もないかと…まさか部屋の中にもう敵がいたとは知らず…」
そう、いつもアストレアかタウが忍びこんでくるから空間魔法で入れないようにしてたんだよ。
「敵は?」
「ここ」
「え、この方は…ギルド長様ですか?」
「…」
「そう。もう安心して大丈夫だけどな」
「え?」
「ほら、挨拶」
「…」
「…」
しょうがねえな。
「ユリア。現状を説明しろ」
「…!ぐぅぅぅ!…げ、現在ユリア・スカーレット…はご主人様との戦闘に敗北し…ご主人様の眷属となっております…!」
「「!!」」
おーさすが眷属化。さっきまでとうってかわって金髪紅眼の幼女が大人しいな。顔真っ赤だ。
「ハルオミ様、新しいスキルが?」
「そ、この金髪ろりが吸血鬼だったらしくてな。で、手にいれた」
「流石です!主様!」
タウが、キラキラした目をしている。でも、これはたから見たら金髪幼女をいじめてるやつにしか見えないんだよな。
「ぐぅぅぅ!なぜこんなことに…ぬかったわ…こんなヤツ今まで見たことなかったから油断した…」
「自業自得だろ」
「でも、よく弱らせられましたね」
「あー吸血鬼の弱点まんまだったからさ」
「なるほど」
さてと。俺は半泣きのユリアに近づいていった。
「な、何をする気だ!く、儂に鬼畜な行ないをするつもりか!」
「しねえよ」
何でそうなる。
「しないんですか?」
おい、アストレア、お前もか。
「名前呼び」
…聞いちゃいねぇ。
「俺からの要求は簡単だ」
「な、なんだ!」
「その1、俺たちを利用するやつがいたら排除しろ」
「…それは」
「いちいち今日みたいに面倒事に巻き込まれるのはごめんだ、だから、地位とか権力のために俺たちを利用するギルド内のやつがいたらとめろ」
「…分かった」
「その2、ギルド長権限で俺たちにどんなクエストも受けさせろ」
「それは!」
「聞けないのか」
「!!!」
おお、なんかビビってる。さっきの命令が効いてんのか?
「…分かった」
「その3、面白い職業のやつがいたら俺に教えもらおう」
「…分かった」
「これはすんなり聞くのな」
「ふん、どうせ何を言っても無駄じゃろう。さあ、眷属化をとい…」
「解かねえよ?」
「な!何故じゃ!」
「だって、今解いたら今のも約束守るかどうか怪しいだろ?」
「ま、守る!だから…」
ニコニコ。
「だってお主…ぐぅぅぅ!…ご主人様の命令がこのように破ろうとすると変な快感に負けそうに…」
ニコニコ。
「ご、ご主人様?何か言ってたもう?」
「…その4」
「!」
「お前は俺に絶対服従♪」
「!!!!…き…」
「き?」
「この鬼畜ご主人様ー!」
ショックでなのか、涙腺崩壊でユリアは走り去っていった。でもさ?
「異世界金髪ロリ吸血鬼…手に入るなら手に入れるのが普通だろ?」
鬼畜じゃありません。
「「鬼畜です」」
心を読んだかのように後ろの2人が呟いた。
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