第22話
「何故だ…」
崩れ落ちたギルド長が悔しそうにこっちを見てきた。それもそうだろう、さらに強化したはずが毒でも盛られたように身体が動かなくなったんだから。
「銀だよ」
「何?」
「あんたは銀を自分で飲んだんだ」
「何を言っている、このボトルは私の…まさか!」
「そう、あんたが持っていたボトルと同じものを俺も持ってたんだよ」
あとは簡単だ。さっき落ちた時のギルド長の血を空間魔法で集めて溶かした銀と混ぜてボトルに入れる。回復までの間に、すり替えたって訳さ。さすがに誰の血か知らないが、自分の血を飲んだことないから気づかなかっただろ。
「ぐぅぅぅ!」
さてと、鑑定!
名前:ユリア・スカーレット レベル45
職業:吸血鬼(真祖)
力:500(+1000)
器用:1000(+1000)
耐久:300(+1000)
敏捷:1000(+1000)
魔力:1500(+1000)
魔耐:1500(+1000)
スキル:魔法[水、氷]レベル20(+10) 拘束魔法 レベル10(+10)無詠唱 レベル20(+10) 弱点耐性[吸血鬼]レベル10(+10) 霧化 レベル10(+10) 夜目 レベル10(+10) 再生 レベル20(+10) 老化遅延 レベル20(+10) 血力変換 レベル15 眷属化 レベル5(+10)
キタァー!やっぱり吸血鬼!便利スキルの宝庫だよ!さっきの血飲んだやつって血力変換って言うのかーいいねー!あー色々詳細見たいけど…とりあえず、
「ここまで儂を追い詰めるとは…ますます欲しくなった!」
「こいつをどうにかしないとな」
ギルド長は俺が鑑定し終わった頃には復活し始めていた。
まあ、もう実は鑑定使えた時点で勝利確定なんだがね。でも、レベル45だったのか・・・頑張れば鑑定できたんじゃね?
「うーん、わざわざ弱らせる必要なかったか?」
「舐めるなあ!」
「バインド」
「?!」
お、びっくりしてる。
「バインド、バインド」
「ぬうううう!」
どんどん、拘束魔法をかけられて動けなくなっているギルド長は必死で抜けようとしている。しかし、拘束魔法の重ね掛けとまだ銀が抜けきっていないことでなかなか抜け出すことができない。そのギルド長にどんどん迫っていく俺。
「拘束魔法まで使えるだと・・・本当に何者・・・」
「バインド」
「むぐ!」
さて、これで嚙まれることはなくなった。
「本当はこのまま返してやってもいいんだけど、あんたは懲りずに絶対に俺に挑んでくるだろ?だから、新スキルの実験のためにもあんたには俺の言いなりになってもらう」
「?!!」
不思議そうにしているな。それもそうか支配しようとした奴に言いなりになんて言われたら困惑するよな。でも、
「俺にあったのが運の尽きだと思ってくれ」
そして、俺は、ギルド長の首筋に近づいていく。
「・・・!」
お、もしかして、俺のスキルに気付いたか?でも、もう遅い。
カプ。
「眷属化発動」
「~~~~~!!!!!!!!!!!」
俺の目は赤く光り輝き、ギルド長は声なき悲鳴を上げた。
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