第13話

「そして、今のこの状況です。」

 アストレアは何ひとり言言っているんだ?

 俺はミノタウロスに魔法を放ちながら横目でアストレアのことを確認した。と言うかさっきまで少し頭に血が登ってて周りが見えてなかった。

「今後は気を付けないとな」

 俺は目の前の状況を整理し、次のことを考えていた。どうすれば、この目の前の敵を倒せるのかを。

 魔法はもうだいぶ打ち込んでる。でも、あまり効いてない。このまま打ち込んでたら俺の魔力の方が切れるのが速い。だったら、剣士のスキル・・・これもいまいちだな・・・

 この時の俺は妙に冴えていた。なんというか冷静っていうよりは、今までの自分と違う感じだ。

「さてと、すこし自分のステータスを確認させてくれっと」

 「グモ!?」

 何が起きたかわからないという表情をしながらミノタウロスは体を動かそうとするが。

「その体と霧の中じゃ何も見えないだろ」

 火と水の複合魔法、霧。さて、今の俺のステータスはっと・・・おお、なんかいろいろ増えてる・・・つか、これなら勝てるわ。

「アースソード。魔法付加【火】」

 土を固めた剣のようなものでも剣と認識していればやっぱりいけるんだな。

 バキバキ!!!

 俺がそんなことを考えているうちにミノタウロスは自力で足から楔を引き抜いていた。

「なんというか・・・さすがだわ。でも」

 負けるわけにもいかない。

「魔法付加【風】」

 剣はさらに燃え盛る。その剣に気付いたミノタウロスは角をこちらに向けて臨戦態勢に入っていた。

「そっちも決着つけようってか。いいぜ。魔法付加【雷】」

 燃え盛る炎は雷を帯びる。そして、その場は一瞬完全に無音になる。次の瞬間。


 「グモモモモモモモォォォォッォ!!!!!!!!!!」

「俊足」


 ミノタウロスと俺は自らの敵に向かい、駆ける。そして、


 「オオオォォォオオオォォォ-!!!!!!!!!」

「疾風炎雷!!!!!!!!!」


 ドォォォォォン!!!!!!!!!!!!


 激突した。



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