第11話
扉を開けたその先にいたのは
「おいおい、こいつかよ」
「オオオオオオオオオォォ!」
雄叫びを上げているのは鋭い角、牛の顔を持ち、鍛え上げられた肉体…その腕には斧をもつ黒いミノタウロスだった。
「まずは、鑑定…!」
十秒見つめようとするが。
「ブモォォォ!」
それを許す訳もないといわんばかりに見た目とは違う俊敏な動きで突進してくる。
「く…」
全てのステータスを底上げする付加魔法をかけているはずなのに明らかにミノタウロスの方が速かった。避けきれないと分かった瞬間剣で受け止める。だが、異世界代表のモンスターは今までと違う。受け止めるために力を上げる付加魔法をつけたのにも関わらず、後ろに吹っ飛ばされた。
あーなんか明らかに強いんだけど…あいつ普通の奴じゃないだろ。
風魔法でクッションを作って衝撃を弱めてバレないように動きを止めた。これでちゃんと見れ、
「容赦ねえな」
ない。止めを刺しにこようかと思っているのか追撃を開始してきた。さすがに人のように考えてと言うよりは破壊することしか考えてない短調な動きのように見えるがそんなこともなく様々なな動きを加えて攻撃してくる。そして、そのスピードとパワー圧倒されそうになっている。
「なかなか距離とらせてくれないな。なら…」
俺は付加魔法を再度かけ、後ろに下がった。そして、
「ミスト」
辺りに濃い霧を発生させた。複合魔法により火と水で霧魔法を作った。
さてと、鑑定!
まず、俺の魔法を連発させるだけじゃ足りない。だから、相手の実力を把握する。さて、あいつはどれだけ強いんだ?
しかし、俺の考えていたより状況はまずいものだった。なぜなら、
名前:ミノタウロス レベル40
職業:
スキル:斧術 レベル40 剛力レベル40 咆哮 レベル20
斧術
斧の使い方が格段に上手くなる。レベルが上がるにつれて斧を自分手足のように扱える。
剛力
魔力を力に変換することができる。また、魔力を身体に纏い身体能力を上げる。
咆哮
相手の動きをレベルの分だけある程度止められる。
見たことのない化け物だった。
「ありえねえ!」
俺はかろうじて避けながら、叫ぶ。あの女神本当に容赦ねえな!でも、そんなことをおもいながら魔法で攻撃しようとするが。
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!」
「ぐ…!」
咆哮によって動けなくなってしまった。その油断をミノタウロスは見逃さず。
「やべ…」
「ハルオミ様!!」
俺に向かって斧を振るった。
そして、俺は身体を
「ウィンドシールド!」
吹っ飛ばされた。
壁に思い切りぶつかった俺は身体中がボロボロになっていた。さっきは壁に魔法を発動させてもくれないくらい速かった。
「ハルオミ様今日はもう…」
「くっそ!さっきからいい気になりやがって」
「え?」
「アストレア!」
「は、はい!」
「いいからそこで見てろ」
「でも」
あ〜あ、そんな心配な顔して…いつもはヘラヘラしてる癖に…でも、これ以上無様な姿見せられないよな。
「さあ…こっから本番だ!」
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