第8話
「さて、ではそろそろ実践に入りましょうか」
「おおー!ついに街に降りていいのか?」
「いや、今度は実践的に戦闘をしてもらいます」
「なんだ…」
ちょっと異世界の人の事が気になっていたハルオミは少し残念そうにしてたが
「今日はモンスターとの戦闘です」
「やった!」
それもすぐに治った。それもそうだ。今までは魔法の訓練だけで誰かと戦う、なんてことはなかった。スライムですら。それがやっと解禁になったのだ。ちなみにこの世界でのモンスターは魔物のたぐいも含めてそう言うらしい。
「そろそろハルオミ様OK出さないと勝手に外に出そうですから」
「でどこにモンスターがいるんだ?」
「聞いてないですね…まあ、いいです。実はこの家から離れた森に洞窟がありましてそこにモンスターがいます」
「へーそんなところあるんだな…ってなんでそんなこと知ってるんだ?」
「わざわざ見に行ったんですよ」
「ずるい」
「ずるくないです。そんなこというと連れて行かないですよ」
「それなら自分ひとりで・・・」
「道分かるんですか?」
「ぐ・・・」
このやろう。ドヤ顔しやがって。
「・・・わかったよ」
「ふふ、物分りがいいところも好きですよ」
「いいからいくぞ」
「はあい」
その後俺たちは着替えて洞窟に向かった。その洞窟はうっすらと光を放っていた。なんでも高濃度の魔力が鉱物に含まれていて光るらしい。
「そういえば、この洞窟には何が出てくるんだ?」
「あまり奥まで行ったことがないからあれですけど、スライムとかゴブリンですかね」
「おお!スライム!ゴブリン!」
異世界で有名なやつばっかじゃん!やばい早く見てみたい。そんなことを考えながら奥の方に進んでいくと、
「あ、早速スライムです」
「おおどこどこ?!」
「あそこです」
「おおお!」
まじだ。いる。あの青くてゼリー状のやつ、まさにスライムって感じだ!
「さて、早速実戦といきましょう。じゃあ、まず私がお手本を見せるので、次に」
「ファイヤアロー」
しゅん!アストレアが話している時に実戦していいならとつい圧縮した火の矢・・・火の魔法ファイヤアローと名前をつけた魔法を飛ばしてしまった。
「・・・ハルオミ様?」
「・・・ご、ごめん・・・つい」
「・・・まったく・・・まあ、緊張してないようですし、浮かれてしまわないように注意してくださいね?あとスライムは核があるのでそれを壊さないと再生しますよ」
「うわ、ほんとだ」
さっきど真ん中に打ち込んだ火の矢は貫通度が良すぎたのか地面は割れているがスライムはすぐ再生した。
「さて、では改めて魔法を使ってみて欲しいのですが、その前に鑑定してください」
「おお?なんでだ??」
「鑑定は人間だけではなくモンスターにも効くんですよ。あと普通の鑑定ならアイテムも詳細を見れるようになります」
「へえー」
なるほどなー相手がわかれば、倒しやすいし確かにやったほうがいいかも。よし、鑑定!
先ほど射抜いたスライムをもう一度みて鑑定を行うと次のように出てきた。
名前:スライム レベル1
スキル:再生 レベル1
・・・ほほう。仕事しますな。
「再生ってスキルなんだな」
「はい。だからスライムだからといって甘く見てはだめですよ」
「おう。じゃあ、さっきのだと貫通しちゃったからこれだな」
俺は手のひらにファイヤボールを作り、
「ファイアブレット」
スライムに狙いを定めて打ち出した。するとそのまままっすぐと進み、スライム包み込んだ。スライムはなくなった部分を再生しようとするが、俺はそんな暇も与えず、もう一度ファイアアローを放ち、核を粉砕した。
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