第3話 出ていきたい。
転がり込めるような友達もいない
親戚はいるがこの家とかかわりを持ちたくない。
何よりこの街にいたくない
この街から
この市から
この県から
出ていきたい―――――
この先どうしていこうか
落ち着いて考えたかったが、
この街の知ってるにおいが、
知ってる風景が、知ってる地名が
私から考える余裕を奪った。
私は見慣れた道を走り
見慣れた駅を駆け抜け
知らない土地へ急いだ。
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