【創作論】柳式・正しい盗作のはじめ方（アイディア発想法）

４．他人の設定を自分のものにしよう！

　前回で決まった「心臓病ヒロイン × ギャンブル」ですが、なぜこの組み合わせを選んだのか、というお話をまずしておきます。

　これを選んだ理由は前回出した「◆留意点」にあります。

『◆留意点

　・ヒロインがドキドキを望んでいること

　・ヒロインが病気持ちと、主人公が知ったときの葛藤（＝それを行う理由）』

　ここで重要なのは「ドキドキしなければならない理由」です。

　心臓病なのにどうしてドキドキ（心臓をすり潰すような行為を）するのか？

　ここがしっかりしていないと、設定に説得力が生まれません。「心臓病×幽霊」なら憑かれてしまったという、巻き込まれ系になる可能性が高いでしょう（ただし、私は巻き込まれ系がそんなに好きじゃない）。

　なので、今回はギャンブル。

　「ドキドキしなければならない理由」は、治療費を稼ぐため！ 「生きる」という人間ならだれもが納得する目的のために、ギャンブルをする。

　そこから雑な感じで考えていきます。

　◆雑内容

　前例が少ない奇病で、心臓を負担をかけてはいけないヒロインがギャンブル！

　１０億円（金額はテキトー）を稼げたら、それを医療費にこの奇病を治せる。

　心臓を負担をかけてこなかったヒロインは、ギャンブルという、生死を賭けた勝負魅力にのめりこんでいく...。

　テーマ「心臓病ヒロイン × ギャンブル」

　キャッチコピー「生きるために、自分の心臓をすり潰す」

　……こんなのでどうでしょう！

　おもしろそうな設定じゃありませんかね？

　そして、借りてきた元の設定と比べてどうでしょう？

　まったく別物になっていると思いませんか？ これを元作品のパクリという人は９９％いないと思います。

　このあとは作った設定から物語を形成していくことになりますね。これは「アイディア発想法」から外れるので書く予定は今のところないのですが。

　「おもしろい設定」の盗用の仕方　は以上になります。

　いかがでしたでしょうか？

　簡単にまとめますと、「既存作品の根っこにある要素を変更する」。基本はただこれだけなんです。そして、納得するまで同じこと、設定を切って貼って変形させてを繰り返す。これだけです。ね、簡単でしょ？(￣▽￣)

　設定編は終わったので、もし次があるなら「物語の創り方」を書くかもしれません。まぁ私の物語の書き方を知りたい物好きは……まぁ、いないでしょう。別に特別なことはしてませんし。

　と、いうより。

　私のことではなく、次はあなたです。

　あなたが「おもしろい設定」を創る番です！

　影ながらではありますが、応援しています！

　それでは、またどこかで！

　◆余談メモ１

　ここからは上の設定からなんとな～く詰めていったストーリーです。

　あらすじ

『主人公には気になる人物がいた。いつも無表情でクラスの隅にいる。それが、ヒロイン。しかし彼女には良くない噂があった。夜の街で中年のおじさんと一緒にいた、……とか。

　ある日、ひょんなことから彼はヒロインが病気を患っていることを知ってしまう。彼女は心臓に病気を患っていた。心臓に負担をかけないように、その半生を過ごしていた。

「ちょっと付き合ってくれない？」

　彼女の誘いに思わずついていった主人公。

　彼女と一緒にたどり着いた場所は、怖いおっさんや任侠を通しそうな強面な人がいる賭博場。

　驚いている主人公の横で、一瞬だけ彼女は恍惚の表情を見せる。

　のちに彼は知ることになる。そう、彼女こそ夜の街に名を轟かせている、不敗伝説のギャンブラーであるということに―――。』

　◆余談メモ２

　ちなみに、今回出したこちらの案は没ネタです。

　理由としては、ギャンブル内容にも拠りますが、ギャンブル系は漫画（図解）のほうがわかりやすいからです。心臓に負担がかからないように感情を殺してきたヒロインのポーカーフェイスが最大の武器……とか妄想は膨らんでいるので、書けばおもしろくなる題材とは思いますが。

　ただ、この設定で書いてみたいとかいう物好きがいましたら仰ってください。一報いただけたらこの設定の著作権を譲渡いたします。（いや、題名通り、読者に盗ませようとさせろよ、とセルフツッコミ）

　◆余談メモ３

　いつか、あなたの作品の「おもしろいっ」が読者に届きますように。