【創作論】柳式・正しい盗作のはじめ方（アイディア発想法）

３．おもしろい設定を盗用しよう！

　みなさん、持ってきましたかね？ 「おもしろい設定」。

　まぁ、持ってきてなくても、ちゃっちゃっと始めちゃいます。

　私が持ってきた設定は、前々回に言っていた「未来の日記～」……ではなく。今月（１０月）に掲載された某漫画雑誌の作品（あえて作品名は伏せさせていただきます）から持ってきました。「ずっと前から時間かけて温めた設定じゃないの？」というものではないためにこちらを持ってきました。

「生まれつき生涯の心臓の残り鼓動回数が少ない特殊な病気を持っており、心臓に負担がかからない生活に飽き飽きしていたヒロインと、恋愛（ドキドキ）することをする」という設定の作品。

　ここから自分の「個性」を練りこんでいくことになります。

　ここでの注意点は「自分なら」「おもしろくするには」とは思わないことです。

「自分のものにする」ことを目指してください。

　なぜなら、前者の意識では結局のところ、他人の料理に味付けしただけ……。つまり「パクリ」と言われる可能性があります。……まぁ、手順通りしていれば、言うほど元作品に似ないはずです。

　手順１．まずは、この設定の要素を「魅力」と「留意点」で分解していきます。（ここで細かく分析できればより多く魅力要素を盗めます！ がんばって盗みましょう！）

◆魅力

　・心臓の鼓動回数が少ない奇病 ＋ 恋（ドキドキ）をさせる

◆留意点（もし自分がこの設定で書くなら、ストーリーを面白くさせるための制約）

　・ヒロインが恋（ドキドキ）を望んでいること

　・主人公が「ヒロイン＝その病気持ち」を知ったときに葛藤すること

　…

　手順２．ここからもっと単純化させていきます。おもしろい根本的な要素だけにしていきます。

◆魅力

　・心臓病 ＋ ドキドキさせる（ジレンマ）

◆留意点

　・ヒロインがドキドキを望んでいること

　・ヒロインが病気持ちと、主人公が知ったときの葛藤（＝それを行う理由）

　手順３．ここから「◆魅力」の要素を一点だけ変更することを考えます。

　このときにはいろんな変更方法があります。

　例えば……

　「◆魅力」にプラス要素を加える

　例１．・心臓病 ＋ ドキドキさせる ＋ サトラレ（心の声が聞こえる）

　「◆魅力」に同要素で別のものに変更する

　例２．・心臓病 ＋ ドキドキ（恋、お化け、ドラッグ、背徳行為、露出、ギャンブル）

　「◆魅力」に拡張法・縮小法を使う

　例３．・心臓病→パンデモミック ＋ ドキドキ　（ゾンビモノかな？）

　などなどです。

　個人的に「例３」の方法は扱いやすいです。

　拙作「ネ申はネットに溢れすぎている」はこの方法で考えました。分裂・増殖系の作品などもこの発想でいくつか出てきます。おもしろさが単純で伝わりやすく、オススメです。

　ですが、今回は「良い組み合わせ」を見つけたので、そちらから。

◆「心臓病ヒロイン × ギャンブル」◆

　「心臓病ヒロイン×お化け」も良かったですが、個人的にこれがピーンッ！ 来ました。

　いかがですか？

　おもしろそうになってきましたかね？

　ここから設定を詰めていくことになりますが......私の一人問答になってなければいいのですが...。

　もう大詰めですよー！ あともう少しです！（次回へ→）

　◆余談メモ１

　おもしろく、目を惹く発想には必ず、「驚き」と「共感」の要素がある。今回持ってきた設定がどちらに比重が置いてあるのか分析できていれば、それは次の「おもしろう発想」におけるヒントになる。