第一章
擦り寄ってきた彼女の肩を優しく抱きながら、庸介さんは瑠璃先輩の頭部に顔を付ける。
「良いなー、瑠璃先輩。庸介さんみたいなイケメン彼氏にできて。何か、いっつもラブラブって感じで、やきもち焼きそう」
そんな年上二人のカップルを言葉通り羨ましそうに眺め口を開いたのは、私と同じクラスの
郁代と瑠璃先輩は中学時代からの知り合いだと聞かされたことがあるので、付き合いは長いのだろう。
「だったら、あんたも彼氏くらい作れば良いでしょう? 今度紹介してあげようか? 顔は微妙だけど、結構お金持ってる人一人知ってるし」
「え、マジ? 紹介してよ。何歳くらいの人なの?」
「大学生。親が医者やってるらしくて、お小遣いめっちゃ貰ってるって自慢してたよ。その気にさせれば、欲しい物いろいろ買ってもらえるかもね」
「うっわ、最高じゃん!」
無邪気にうかれた笑みを貼りつけ、郁代ははしゃぐように肩を弾ませる。
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