107.Sな彼女とNな彼
「ほな、コンペ終わるまで待ってるから」
「待たないでください」
「何で?」
「今回のコンペで駄目なら次回を目指します。いつ終わるかわからないです」
「ほな……」
「お断りします」
彼はふっと笑って「強情やな」と呟いた。
「悪いですか?」
「いや。でも、一人は寂しいやん」
「友達や家族がいるから一人じゃないです」
「まあ、そうやけど(笑)」
笑いながら私を抱き寄せて
ぽんぽんと背中を叩いた。
「友達や家族では埋められへんもんがあるやろ?」
囁く唇が耳をかすめると
体の奥がきゅうっと熱くなる。
「それはそうですけど……」
置かれた手の指先が背骨に沿うように滑った。
ビクリと跳ねた体が熱を帯びる。
流されてしまいたい。
「ほんまにお断りなん?」
「今の私では西川さんのペースに飲まれてしまいます。それは嫌です」
「俺あと何回お預けされんの?(笑)」
「一万回くらいじゃないですか?(笑)」
「きついな(笑)」
彼のため息と流れ星が流れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます