23.Sな彼女とNな彼

課長と二人で最終打合せをする。




「パソコンのスキルチェックと同時進行で性格診断テストをするから、それは間宮さんが配布と説明してね」




「私たちも配属前に受けたテストですよね。懐かしい」




心理テストみたいな感じで


九つの性格診断から


仕事の適正を見るテスト。




「終わったら両方の結果を個人別にまとめておいて」




「はい。いつまでですか?」




「休み明けに配属先を決めるから、出来れば今日中……みたいな?」




みたいな?




「研修終わってからですか?!」




課長が可愛く小首をかしげる。




「出来れば?」




全然可愛くないし!




「課長が入力を手伝ってくださるならやります」




「わかった。それは応援を手配するから頼んだよ」




「課長は手伝ってくれないんですか」




「俺は研修の総評を今日中にまとめなきゃいけないんだよ……」




うなだれる課長のために


頑張ってあげようかな。




「それは大変ですね。私も頑張ります」





打合せを終えて


会議室で準備をしていると


昨日と同じように


嶋村さんがやって来た。



けれども、今日は


彼がプロジェクターを運んできた。




軽く会釈する。




一番前の机にプロジェクターが置かれた。




「西川さん、ありがとうございましたあ」




ついて来て礼を言うだけならば


嶋村さんはいらないんじゃないの?!




「どういたしまして。ノーパソもあの部屋に置いてたやつを持ってきてええんやんな?」




「はい」




コンコンッとドアがノックされ


課長が小さくドアを開けて


顔を覗かせた。




「嶋村さん……」




課長は私ではなく嶋村さんに


声を掛けた。




「何ですか?」




「性格診断の結果入力……手伝ってくんない?」




「今日は無理ですよ」




課長がいつまでに、と言う前に


素早く牽制した。




「急ぎなんだよ~」




「今日は定時後に前のパンフと封筒に新しい住所の訂正シール貼りでみーんな無理ですよ」




ええ~?! と私も心の中で叫んだ。




「一時間でいいんだよ~」




「無理無理~」





彼がやり取りを聞きながら


笑っていた。





どうしても無理! と結論が出た時。




「良かったら僕がお手伝いしましょか?」




彼はそう言って微笑んだ。










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