6.Sな彼女とNな彼
「嶋村さん、ああいうチャラい人が好きなの?」
小声で尋ねた。
「間宮さんは営業所にいたから知らないんだね。西川さんって本社の女子社員の間じゃ王子って呼ばれてるんだよ」
王子~?!
ま、まあ、確かに顔は綺麗な顔してるか。
色白で茶色い髪に茶色い瞳。
ハーフっぽい感じ。
目が合うと吸い込まれそうだった。
いやいやいやいや……。
「私はああいう軽い感じの人は苦手だわ」
「軽いのは軽いみたい。谷本さんは西川さんと二人で飲みに行って朝まで帰って来なかったんだって」
受付の看板美人の谷本さんか……。
「付き合ってるってこと?」
「まさか。ワンナイトって噂だよ」
「えー、サイテー」
「他にも経理の三鷹さんとも噂になってたんだよ。抜け駆けズルイよねえ」
ズルイのは抜け駆けした女子の方なの?!
ワンナイトで弄んだ男が悪いでしょ。
「そんなドロドロした関係があるんだね~」
私には関係ないや。
「じゃー、私はこれで」と
嶋村さんが部屋を出た。
待っていたかのように
ぞろぞろと新入社員が入ってくる。
「自分の名札が置いてある席に座ってくださーい」
夢中だったから
彼がいつ戻ってきたのか
全然気付かなかった。
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