63.Sな彼女とドSな彼

合コンが終わった後


仕事が忙しくて仕方がなかった。





そんな中で亜湖から誘われた。




『仕事帰りの9時以降なら』




そう返事をして居酒屋で待ち合わせた。





仕事を適当なところで切り上げて


亜湖の待つ店に急いだ。




最初は普通に世間話をしながら


食べて飲んでいた。




何の話があるんやろ?




考えを察するように


亜湖が本題を始めた。




「あー、やっぱり私はノリ君がタイプなんだけどな……」




「やっぱりって?」




剛と比較されてることは容易に想像できた。




「……ノリ君はどうして好きな子に告白しないの?」




「タイミングを待ってるだけ」




「タイミング?」




「まあ、事情が色々あってなー……」




まだふなっきーへの未練を感じるし



俺を好きというわけではなさそうやし。




「ふぅん。私ならさっさと告白するけど」




「亜湖って意外と積極的やな」




「モタモタしてたら誰かに取られちゃうかもしれないじゃん」




誰かにも同じこと言われたな。




「そうやなあ」




そこから何も進んでないんやな。




「もし、振られたら私と付き合ってくれる?」




「慰めてくれんの?」




「うん」




「ありがとう。やけど亜湖はまだ俺のこと好きちゃうやろ?」




「好きかなんて後でいいよ。大事なのは今一緒にいたいかだけじゃん」




普通は嘘でも"好き"という場面で


アッサリ"好きは後でいい"と言う亜湖に


男気を感じた。




惚れてまうやろ。




「そっか。そうやな……」





心の中にまだ違う人がいても


今一緒にいたいと思う気持ちなら


負けるわけない。




好きかどうかは後でいっか。




いつか俺を好きやと言わせたるから。









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