50.Sな彼女とドSな彼

会いたいと気付いた時には


会えなくて


会いたくて 会いたくて 震えてる




場合ちゃうねん。





クソ忙しー……。




直行直帰、出張宿泊付きの日々で


事務所に寄る暇さえない。




久しぶりに事務所に行くと


他の皆も忙しくしているらしく


サヤカしかいなかった。




相変わらず何かしら食いながら


パソコンと格闘している。




間抜けな姿やなあ。




しかも


食べカスがキーボードに入るやろ。




まあええわ。




とりあえず


コウちゃんとの約束を果たさんと。




「なー、サーヤ。合コンせーへん?」




「は? 合コンですか?」




何で私が?と顔に書いてある。




「そう、合コン」




「えー、嫌です」




即答やな。




「頼むわ。俺の友達が彼女欲しいって言ってんねん」




「他当たって下さいよ。それこそ美香……小野さんに頼んだ方が可愛い子来ますよ」




狐ちゃんはなー……。




「えー、小野さんって何か苦手やねん。別にべっぴん連れて来いとは言わんから。誰かフリーの友達おらん?」




コウちゃんも剛も面食いちゃうから


大丈夫やろ。



知らんけど。




「んー……」




サヤカがしばらく考え込む。




うんうん唸ったかと思うと


パッと顔が明るくなる。




電球か。




「ちょっと友達に聞いてみます! 西川さんも今は彼女いないんですよね?」




「お、おお……」




別に俺はええんやけど……。




「分かりました。私の友達二人なら呼べると思います」





こいつ俺に紹介する気か?!





まいっか。





コウちゃんには借りがあるから



返さなあかんしな。








  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る