49.Sな彼女とドSな彼

「昨日一緒におったヤツ誰やねん」




朝っぱらから納豆巻をかぶりつくサヤカに


聞いてみた。




「ほえ?」




ナマケモノみたいな面しやがって……!




「会社サボって何しててん」




「いや、ちょっと所用がありまして……」




「所用って何やねん」




「大した事じゃないですよ」




「お前は大した用事じゃないのに俺に仕事を押し付けて休んだんか」




「違いますよぅ」




「ほな誰と何しててん」




「えぇー……」




何でこんな渋んねん。




「まさか仕事サボって男とデートしてたんちゃうやろな?」




一歩踏み込む。




「別れたばっかりでそんな早く切り替えできませんよ」




「ほんならあんな遅い時間まで男と二人で何しててん」




「なっ、何で知ってるんですか?!」




「俺は何でも知ってんねん」




サヤカがじーっと紀樹の顔を見た。




カマかけてへんからな。




「……旦那と出掛けてたんです」




「はあ?! 旦那???」




離婚してないってこと?




「あ、違う。"元"旦那です(笑)」




「ややこしいわ!」




「二人でお世話になった人が亡くなって告別式に行ってたんですよ。遠方だったから丸一日休みもらっただけです〜」




「何でそれが深夜帰宅になんねん」




「ついでに観光して帰って来たんで」




「葬式帰りに遊ぶって二人揃ってどんな神経してんねん」




「故人も喜んでくれてますよ」




「ほんまか?!」




「ほんまです。多分」




そんなことよりも!




「ってか、子供もおらんのに元旦那と出掛けたりするんや?!」




「嫌いで別れたんじゃないですからね。家族や親戚と似たような感覚ですよ。用がなければ会わないですけど、会えば昔と変わらない。みたいな?」




みたいな?やあらへんやろ。




ふなっきーとは違うモノがあるんやなあ。




やっぱり結婚は違うんやろか。




実結もええ奥さんになると思ってたけど


サーヤみたいなの方が


長く一緒にいられるんかなー……。





プリンを頬張るナマケモノを見る。





「朝から食い過ぎやねん!」




「腹が減っては戦は出来ぬデスヨ」




「あほか。戦わんでええから食う量減らせ」





他の人に取られたら



こういう関係も終わってしまうもんなあ。









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