40.Sな彼女とドSな彼

据え膳食わぬは男の恥。





首筋に吸い付いてくるサヤカの


靴を脱がせた。




「サーヤ? ベッド行く?」




昔から何でも残さず食えと


教えられて育ってきた。




好き嫌いはあっても何でも食べる。




母の教えに従う。





曖昧に頷くサヤカを寝室に連れて行く。




ベッドに座らせると


「あっつ……」と言いながら


ワンピースの下にはいてるレギンスを


自分で脱ぎ始めた。





勝手に脱ぐな……!





横になったサヤカの隣に寝て


耳元で最終意思確認をする。




「……途中で"ヤメテ"って言われても聞かれへんで?」





頷いたサヤカに唇を寄せる。





触れ合う直前に口が開いた。




「……みず……」




「ん?」




「お水飲みたい……」




「水か……。ちょっと待ってな」




起き上がってキッチンで水を探す。




シンクにあるコップに水を入れて


寝室に戻った。





三分も掛かってないと思う。





サヤカは口をだらしなく開けたまま


イビキをかいていた。




「こら! 起きろ!!」




揺すっても起きない。




グースカあほ丸出しで夢の中。





まあいっか。





どうせ


寝られへん日もいっぱいあったやろ。





間抜けな寝顔を見てると


どうこうしようという気も失せるわ。





サヤカの目尻の涙を拭う。





誰かさんと勘違いされたままで


するんも嫌やしな。





ゆっくりお休み。





俺は何もしてへんからな。






パンツは見たけど。













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