41.Sな彼女とドSな彼

「お前は俺に襲われてても文句は言われへんからな?」



「あはは。そうですねぇ。すみませんでした」



笑い事じゃないんやけど


ほんまにわかってるんか?





翌日のサヤカはケロッとしていて


記憶が曖昧だと言うけど


曖昧じゃなくて完全に覚えてない。




「ふなっきーの名前呼んでメソメソ泣いてたくせに」



「本当ですか?! お恥ずかしい姿を見せて申し訳ない……」



「ほんまに覚えてないんか? 男と二人で飲みに行って記憶ないって危機感なさ過ぎやろ」



「別に私が酔い潰れたところで誰も襲いやしませんって(笑)」




いやいやいやいや……。



あんな風に甘えられたら


どうにかしてしまう男はきっと


俺以外にもおるやろ。




「サーヤが即寝せんかったら俺は襲ってたけどなあ」



「またまた〜(笑)」



「ほんまやで?」



「わかりました。今度から気を付けまーす」




全力であほ過ぎる……!




「知らんからな」



「はい。でも何かほんの少ーしだけスッキリしました」




ほんの少ーしって何やねん。



しかも



俺は全然スッキリしてない。




けど



ほんの少ーしでもスッキリして



笑ってられるんやったら



それでいいか。





「サーヤ、次はどこ行きたい?」




「うちの近くに日本酒バーがあるから行きません?」




「酒飲むことばっかやな(笑)」





やっぱり何もわかってない。





警戒心があり過ぎるのも全くないのも



困ったもんやなー……。












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